2021.07.6 THINK

南丹市の暮らしを訪ねる地域観光プロジェクト「LIFE TRAIL」の現在地

こんにちは。ツナグムの並河です。

ツナグムでは主に、京都府内各地への移住促進や地域の観光振興に関するプロジェクトに携わっています。本日は、昨年度から関わらせていただいている南丹市の地域観光プロジェクトをご紹介したいと思います!

地域で暮らす人々のLIFEをトレイルするような観光の提案

「美山かやぶきの里」にて。語り部の中野さんにご案内いただいている様子。

2020年度から南丹市観光交流室さんとのお仕事で、旅行者向けのプロモーションツールとして、ティザーサイトとそれに紐づいたエリアマップ、プロモーション動画の制作を行っています。(夏以降に公開予定なので、サイトがオープンしましたらまた改めてご案内させてください。10月1日追記:サイト公開しました。http://nancla.jp/lifetrail/

撮影は、昨年の年末からスタートしました。冬のシーンは2回に分けて訪問したのですが、撮影日が見事に降雪と重なり、私たちも地元の方々もびっくりでした。ですが、雪がかった田舎の風景はとても美しく、空気も澄んでいましたし、「冬にこそ来てほしい・・!」とも思えるような心地のいい滞在でした。

ちょうどクリスマス前だったので、日吉町にあるドイツカフェ「みとき屋」さんでは、シャウベッカーさんがキャンドルに火を灯してくださり、とても心温まる撮影となりました。そのほかにも、訪れる先々で素敵な人たちとお出会いし、プロモーション動画用にインタビューをさせていただきながら、自然とともにある地域の豊かな「LIFE」を巡る旅の提案をしていきたいと考えています。

狩猟・農業・採集など自給自足の生活を営む、宿泊施設・レストラン「田歌舎」にて。

プロジェクトメンバーは、以前、森の京都DMOと制作した「Harvest Journey Kameoka」のクリエイティブチーム。お隣の亀岡市(私の地元です)ではじめた、地域コミュニティを主体に観光ブランドや体験プログラムをつくっていく取り組みで、UIターンされた職人さんや作家さん、農家さん、農家民宿のオーナー、お寺の住職、地元食材を扱う料理店などが参画しています。

移住検討者にもインバウンド旅行者にも「暮らし」を案内していた

野草料理研究家の西本方さんが実施する野草料理体験ワークショップ。

私自身、これまでご紹介してきたツーリズム振興に加えて、京都府の移住促進の事業に3年ほど関わってきました。仕事を通して、自治会長さんや区長さんなど地域に長く住まう方、UIターンされた方のお話を聞くことが多く、その人たちが暮らしのなかで大切にしていることや移り住んだ背景など、紡ぎだされる言葉がとても素敵だと感じています。

日吉町胡麻のゲストハウス「GOMA」。サイクリングツアーなども実施されています。

これまで、移住検討者向けのツアーを企画してきました。

そのなかで、表に出ている地域や会社の取り組みだけでなく、その背景にある人の「想い」や「決意・意思」を巡ること、その土地で暮らす理由を知ることが、訪問者の学び・気づき、行動につながっていくことを実感し、これはツーリズムの側面でも大切な要素なのではないかと考えるようになりました。少々まわりくどくなってしまいましたが、つまり、地域には出会ってほしい素敵な人がたくさんいらっしゃるということです。

また、インバウンド旅行者の増加により、2019年頃は京都でもオーバーツーリズムが叫ばれていたのですが、京都の田舎で出会う訪日旅行者は上記のような滞在やコミュニケーションを好まれる方が多い印象があり、移住を検討している方に地域を案内する時のポイントやいただく質問と近しいことに気づきました。「暮らしを案内する」という点が共通していたのかもしれません。それはきっと、京都府内各地で観光事業に関わるUIターンのみなさんも感じていたことだと思います。

地域につづく暮らしや文化を、未来へつないでいくために

八木町で丹波伝承800年の鬼みそ漬を製造する「片山金蔵商店」。

移住施策・観光施策がともに目指しているのは、「持続可能な地域づくり」だと私は考えています。地域ならではの暮らしや文化とともに、訪れたくなるプログラムや企画をつくり、訪れた人との関わりが生まれ、最終的にその土地に住んでもらえたらもちろん嬉しい。

けれど、移住促進で目指している「住む」選択をするまでには、さまざまなグラデーションやハードルもありますし、もっと多様な関わり方を見つける入り口として「地域観光」があるのではないかと思っています。アートやVRなどのクリエイティブやテクノロジーと連動すれば、楽しい入り口もつくっていけるかもしれません。

少し話が派生してしまいましたが、観光振興や移住促進の事業を通して、地元の方、訪れる方どちらにとっても豊かな体験になるような、魅力や課題を知って学び合いや発見が生まれるような、いい関係性が育まれる循環をつくっていけたらと思います。

7月以降も、地域との関わりを考えるようなさまざまな企画を用意していますので、ぜひご参加いただけたら嬉しいです!

地域の暮らしや関わり方を考えたい方へイベントのご案内

■地域企業とローカルでの働き方・関わり方を考える 〜京都ローカルワークステイ〜

日時:7月15日(木)19:30~21:00
会場:オンラインZoom
※途中入室・退出も可能です。事前申し込みの際にご連絡ください。

2021年8月にスタートするプログラムに先がけ、受け入れ企業の担当者をゲストにお招きしてオンライントークイベントを開催しますので、ご興味ある方はぜひお気軽にご参加ください!プログラムの参加に限らず、内容やテーマ・ゲストに興味があれば本イベントのみの参加も可能です。

▼詳細はイベントページをご確認ください。
https://peatix.com/event/1974671

■はんぶん旅、半分仕事。〜 地域×豊かな暮らし、舞鶴市を旅する〜

日時:7月31日(土)-8月1日(日)
開催地:舞鶴市

第3回は、舞鶴市で「Coworkation Village MAIZURU」の管理運営やFMまいづるパーソナリティー、ママ向けアウトソーシング事業を行うシンク・アンド・アクト株式会社の作間さんに現地をアテンドいただきながら、地域で豊かに暮らすヒントを探すとともに、2日間を通して舞鶴ならではのワーケーションの企画を考えられたらと思っています。

▼詳細はイベントページをご確認ください。
https://hantabi-hanshigoto-maizuru.peatix.com

並河杏奈

並河 杏奈

京都府亀岡市出身。大学卒業後、地元の商店街活性化事業や、田舎暮らしに興味がある学生・若者向けのイベント企画、WEBメディアを中心に取材・執筆などを行う。2018年4月より京都府の移住促進事業に従事。2020年に一般社団法人Foginを立ち上げ、現在は亀岡市でコミュニティ・ツーリズム「Harvest Journey Kameoka」等において現地コーディネーターを務める。