多様な働き方がスタンダード!? 茨城へ行くと、きっと面白いことに出会えるはず。

こんにちは、フリーライターの三上です。先日参加した#meets石川に引き続き、『meets local』のイベントを通じて感じた地域の魅力や、地域で活躍するキーマンたちのエピソードを紹介していきたいと思います。

今回は8月2日(金)に四条烏丸『GROVING BASE』で開催されたイベント「茨城から広がるこれからの「働き方」とは?〜二拠点・複業会社員・フリーランス・関係人口という選択」に関するレポートをお届けします!

 

正月とお盆以外に地元に帰る日を1日増やす。「茨城移住計画」とは?

今回は茨城から4名のゲストが来京され、自らの働き方や生業づくりを中心に話してくれました。最初にお話してくれたのは、菅原広豊(すがわら・ひろと)さん。(詳しいプロフィールはこちら

菅原さんは会社員として企業に勤めながら、『茨城移住計画』の一員として活動しています。茨城移住計画のテーマは、他県に住む茨城の人たちが「正月・お盆休み以外に帰る日を1日増やす」。移住という形にこだわらず、茨城との縁を多くの人とつないでいくことを目標に活動しています。

「茨城納豆の16種類食べ比べ」など、ユニークなイベントを通じて茨城での働き方・暮らし方について気軽に話し合える『STAND(スタンド)』や、フィールドワークを通して茨城の魅力や課題を学び、講師と共に課題解決の企画を行う『if design project(イフ デザインプロジェクト)などを開催しています。

STANDのイベント「味わえ、茨城納豆食べくらべ」の様子
茨城へ移住する人へ向けた「場所やこと」を紹介するポータルサイト『Re BARAKI(リバラキ)』の運営も行っています。

 

会社や組織の枠組みを超えて「地域課題」を解決する

茨城移住計画以外にも、起業家を目指す学生をサポートする『Hitachifrogs(常陸フロッグス)』や、古材を再活用する『時由地材(じゆうじさい)、同じ志をもつ異業種の人たちが集うイベント『まぜるなキケン』などのプロジェクトを担う菅原さん。

誰と誰をつなげたら、一緒におもしろいことができるかという視点からアイデアを発展させ、形にしていくのが僕の仕事です。そのために「この人の強みや才能は何だろう?」と周囲の人たちのことを常に気にしています」

自分の興味関心からはじめた社外での活動が会社にも認められるようになり、今では地産地消のエネルギーの開発に取り組む会社のリソースを使いながら「地域課題」に取り組めるようになりました。菅原さんを中心に会社や組織などの枠組みを超え、みんなで茨城の発展に関われる構図が出来上がったのです。

ちなみに「茨城移住計画」のもう一人のメンバー 鈴木哲也さんも、菅原さんと同様に会社に勤めながら音楽イベントの開催などさまざまな活動を行っています。多才な人が多い茨城移住計画…!!人とのつながり方や仕事の生みだし方のコツが知りたければ、まずは茨城移住計画が主催するイベントに参加するのが一番!かもしれません。

住む人がいきいきする、「かっこいい」まちづくり

つづいてのゲストトークは、豊崎悟(とよさきさとる)さん豊崎さんは家業である『茨城いすゞに従事しながら、茨城の活性化に尽力しています。もともと人材紹介会社でトップセールスマンとして功績を上げていた豊崎さんですが、いつしか「すごいのは自分ではなく、仕組みを作った会社なのでは」と感じるようになります。

そこで「もっとやりたいことや、人が必要としていることを仕事にしたいと、茨城にUターン、「茨城いすゞ」であらたなスタートをきります。(詳しいプロフィールはこちら

 

左が豊崎さん、右が和田さん。

仕事を通じて地元の人たちと関りをもつ中で、人口減少していく地元をもっと盛り上げたいと感じるようになった豊崎さん。そこで頭のなかに浮かんだのが大好きなまち「京都」でした。「僕が京都を好きな理由は、まちがかっこいいからなんです。建物や町並みもそうですが、何より住んでいる人がまちにプライドをもっている。そういう“格好がいい”ものやことを地域で作らないと、人は集まってこないなと思いました」

そこで豊崎さんは、ビジネススクールで出会った人たちと一緒に実践型コミュニティ「Hakko Lab(はっこうラボ)」を立ち上げます。「何かやりたい」と思っている人が地域でそれを実現できれば、だんだんまちがかっこよくなる。まちがかっこよくなれば、住む人がいきいきしてくる。その循環を生みだしたいと思ったそうです。

今年4月には『平成最後の僕らの祭り』を開催。地域のキーマンとなる人を招き、「令和に向けて地域でどんなことをしていくか」などを話し合いました。今後も会社での事業やHakko Labを通じて「世の中のためになる事業となるようもっと進化させたい」と話してくれた豊崎さん。トークセッションやフリーマーケット、アート、写真などを楽しめるお祭りなども開催しているそうです。きっと水戸のまちは、どんどんかっこよくなっていきますね!

 

まちの中に「ただいま」といえる場所を

最後のトークを締めくくるのは、「ただいまコーヒー」の和田 昂憲(わだたかのり)さん。ベンチャー企業に勤めていた時に心や体への負担がたたり、うつ病を発症。あらためて「自分にとっての幸せな働き方」を考え直した時、「地元で珈琲屋を開業する」という答えにたどり着いたそうです。(詳しいプロフィールはこちら

和田さんは、菅原さんも参画する「Hitachifrogs」に参画しています。「家庭の経済状況に関係なく、学びが得られる」というプロジェクトの理念に共感した理由は、修業先で出会ったある男の子の存在が関係していました。その男の子から、日本の児童養護施設の厳しい現状を聞き、「お金を自分で工面しなければ、学ぶ環境も自分の希望する未来も手に入れることができない」ことを知りました。

うつ病を発症したときに禅の言葉にであい、「自分を幸せにしながら、関わる人も幸せになるといいな」と感じた和田さん。だからこそ「教育」の分野にも関わり、一人でも多くの人を手助けしたいと考えています。

 

お話を聞いていて「ただいまコーヒー」は、きっとこれからみんなの心のよりどころのような場所になるんだろうなと感じました。和田さんの思いや今まで歩んできた経験は、キャリアに悩んだことがある人たちの道しるべになるのではないでしょうか。そんなかたは、ぜひ「ただいまコーヒー」に立ち寄り、和田さんに話しかけてみてください。きっと会話の中に多くのヒントやきっかけを見つけられるはずです。

 

ここからはじまる茨城とのつながり

最後はカレーをいただきながらの交流会。ゲストと一緒に「円卓」さんのカレーをいただきました。円卓さんは、京都を料理から季節を感じて暮らす」をコンセプトに、ケータリングなどを行っています。

茨城産の野菜や納豆をトッピングしていただくカレーは絶品!

 

食後には、和田さんがいれてくれた「ただいまコーヒー」のコーヒーをいただきましたよ。

 

おいしいカレーとコーヒーで、会話も弾みます

 

今回のイベントに参加して、ゲストそれぞれの「茨城を盛り上げたい」という言葉の先には「社会全体をよくしていきたい」という思いがあるように感じました。地域がよくなることは、社会問題を解決する第一歩。そう考え、行動している人たちが、これからの茨城をもっと楽しく、住みやすい場所に変えていくのでしょう。

「会社や組織の枠組みに捉われずに、まずは自分たちのできる限りのことから変えていこうよ」。そんなメッセージをゲストのみなさんからもらったような気がします。茨城移住計画の皆さん、ゲストの皆さん、ありがとうございました!

 

(写真・文/三上 由香利)

 

噛めば噛むほど好きになる?!無限大の富山の魅力を味わう「富山の食と人の交流会@京都 」

地域に関わる、一番身近な接点ともいえる「食」。「大好きなものが特産品だから」「おいしそうなものが多そうな場所だから」そんな気軽な気持ちで、まずは地域に関わってみるのもいいかもしれません。

2019年3月2日、京都「GROVING BASE」にて開催した富山の食と人の交流会@京都 」は、富山で活躍するゲストから、暮らし・仕事・なりわいづくりなどをお聞きするだけでなく、富山の食を味わいながらゲストや参加者同士で交流する楽しいイベントとなりました。

富山は無限大の可能性を秘めた県

まずは、富山県総合政策局企画調整室の髙木拓実さから、県の特色についてご紹介いただきました。髙木さんは富山のことを、「地味だけど、旨味の詰まった昆布のようだ」と言います。富山県は昆布の消費額が日本一。なんと、昆布を使用したパンやスイーツまであるそう!

またダイナミックな自然や、歴史的な街並み、海・山それぞれの幸が存分に味わえる食文化など、コンパクトな県の中にしっかりと「旨味」が詰まっていると言います。

「おしゃぶり昆布のように、噛めば噛むほど味が出てくる。つまり、何度も訪れ、関わりを深めていくごとにもっと富山が好きになってもらえるはずです!」と髙木さん。

富山はいろんな旨みが詰まって組み合わせもしやすい、無限大の可能性を秘めた県。そんな富山の魅力を知るゲストの皆さんに、お話を伺っていきます。

 

余白を活かすことこそが、なりわいづくりの鍵となる

「ホタルイカの産地・滑川市からやってきた桶川と申します」と、ホタルイカ愛が溢れる自己紹介をしてくれたのは桶川高明さん。ホタルイカ漁が解禁になったイベント前日、さっそく漁港を訪れていたそう。漁港からほど近くに自宅があり、海の恩恵を感じながら暮らしている桶川さん。富山でのなりわいづくりを中心に話していただきました。

2013年に二人目のお子さんが生まれるタイミングで、京都から故郷の滑川市へUターンした桶川さん。もともと設計事務所を自ら営んでいたこともあり、移住するハードルはそこまで高くないと思っていたそうです。

しかし、いざ富山で仕事をはじめようとしたところ、思わぬ誤算が生じました。

「富山では“デザイン”にお金を払うということが、あまり認知されていませんでした。例えば、家をつくるにしても、ハウスメーカーさんの工事費の中にデザイン料が含まれている。地域の人からすれば、僕らのような「描く人」のフィーをなぜ払わなきゃいけないの?という認識だったんです」

桶川さんは、その誤算をどうやってうめていくべきか、ということを考えなければなりませんでした。その時、しばらく離れている間にさびれてしまった地元のお祭りが目に留まりました。

「設計事務所としてどう生きるかということ、町に対して何かやらなきゃいけないということ、二つの考えが頭の中にうかんでいました。じゃあ自分のできることを活かして、地域のために何かやっていこうと考えがまとまりました」

 

現在は、コワーキングスペースの機能を持ったオフィスの改修などの空間のデザインだけではなく、南砺市の地域プランニングディレクターや、コワーキングスペース「TRIO」の運営など多岐にわたる活動を行っています。

さらに、大好きなホタルイカのツアー企画やガイド、商品のパッケージデザインなどを手がけることも。

設計事務所として空間をデザインするだけでなく、「富山のなりわいを最適化していきたい」と事業を作る段階からサポートをすることが多いそうです。

滑川市を軸にしながら、どんどんなりわいの幅を広げ、地域内での活性化を目指す桶川さん。はじめは難しく感じることもあったそうですが、「富山にはまだまだ余白が多く、働きやすさもある」と言います。

「富山には、まだまだ手つかずになっている分野も多くあります。自分から何かしかけたい人はチャレンジしやすい場所かもしれません。ただ、地域には自ら関わっていかないとだめですよ!要はギブ&テイク。みんなで一緒にやっていきましょう!」

 

富山の自然に寄り添う米づくりで「生きる実感」を味わう

続いては、魚津市で米づくりをしている「ひえばた園」の稗苗良太さんからお話をお伺いします。

稗苗さんが営む「ひえばた園」は、肥料や農薬を使わず、稲を収穫時に刈り取ったあと、脱穀までの間乾燥する「はさぼし」とよばれる農法でお米を作っています。今回は農家を目指した理由や、米作りを通して生まれた地域の人たちとの交流についてお聞きしました。

大学生の時、農村を研究している先生に誘われ、ラオスを訪れた稗苗さん。この時ラオスで見た光景は、のちに稗苗さんを農家へと導くきっかけになったようです。

「僕はラオスの農村の暮らしを見て、懐かしい気持ちになりました。そこには自分が幼い頃、ばーちゃんと過ごした日々が広がっていたからです。畑に行くとみんなで声をかけあって、助け合って。畑で採れたものを物々交換する。そんな日常に心が揺さぶられたんです」

その後、農家になろうと決意させた出来事が起こります。いつもは実家から送ってもらった、叔父が自然農法で作るお米を食べていた稗苗さん。たまたまお米を切らしてしまい、間に合わせで買った近所のスーパーのお米の味に衝撃をうけました。

「一番安くて小さいサイズの米を、いつものように炊飯器に入れて炊いたんですよ。そしたら、とんでもなくまずい米が炊飯器から出てきたんです!普段何気なく食べている叔父の作るお米が、とてもおいしいということ。そして米を作ることとは、なんて素晴らしい仕事なんだと思いました」

次第に「農家は魅力的な仕事だ」という想いが膨らんでいき、ついには就活をやめ、「農家になろう」と決意。大学卒業後、地元富山へUターンしました。

農家になると決めたことに、周囲の反対も大きかったという稗苗さん。しかし、自分の人生を自分で選択し、農家になる道を選んだことで「生きる実感」を得ることができたといいます。

さらに「心で食べるお米を作りたい」と行う活動を通じて、たくさんの人たちとの交流が生まれるようになりました。

老若男女、国籍も様々な人たちと共に田植えをする「田植え選手権」や、しめ飾りを作るワークショップで「農の暮らし」を実際に体感してもらったり、東京のマルシェに出店しお客様と直接交流する機会を設けたり。稗苗さんが幼いころに味わった「ばぁちゃんとの暮らし」を、ほんの少しでも味わってほしいと精力的に活動を続けています。

「僕の田んぼから10キロぐらいの上流の景色を眺めて、いつも『これは世界遺産級だな』と思うんです。こんな豊かな土地で、お米作りができていることを僕は誇りに思っています。僕の時は言ってもらえなかったけど、僕は「農家はいいよ!」って自信もって、次の世代に伝えていきたいです!」

 

「おいしい」をきっかけに富山へ!

そしてここからは、待ちに待った「富山の食」を楽しむ時間です。今回の料理を手がけてくれたのは、料理と暮らし Bran※(ブラン)」を主宰する吉田千佳さん。富山には11年ほど住んでいたことがあり、京都でも富山の食を伝える活動をされています。

美味しい料理を手掛けてくれた皆さん。左から二番目が吉田さん

「富山は水がおいしいところ。水がおいしいということは、料理は何をしても美味しいんですよね。今回はホタルイカの黒づくりをカナッペにしたものや、白えびを玉ねぎのかき揚げなど、富山のお酒に合うメニューを作りました。皆さんで召し上がってください!」

今回はゲスト稗苗さんが作る「ひえばた園」のお米で作ったおむすびも。ずらりと並んだ「富山の食」を食べながら、ゲスト・参加者と交流していただきました。

吉田さん考案の米ぬかふりかけをまぶしたおむすび
全国にもファンが多い富山の日本酒
おいしい富山の食に皆さん、夢中!

富山の食を味わいながらの交流会は、大盛り上がり。おいしい富山のお酒もすすんで、笑顔が各所であふれる楽しい交流会となりました。

おいしい食をきっかけに、たくさんの人が「富山へ足を運んでみたい!」と興味を寄せてくれたようでした。また、稗苗さんのもとには数名の方から「農業をやってみたい!」という申し出があったそう。

豊かな自然、豊かな食、魅力が無限大の富山県。あなたも是非、一度富山に訪れてみませんか。

きっと、訪れるたびにどんどん富山が好きになるはずです。

文・三上由香利

旅をしたらもっと好きになる。meets三重からはじまる移住、交流、コミュニティ

地元に帰りたいけど、どんな人がいるのかな?
気になっている地域があるけれど、どうやって関わりを持てばいいかな?
そんな方を対象に、ミツカルではゆるやかに地域と交われるきっかけづくりを進めています。

今回ご紹介するのは、伊勢神宮、鈴鹿サーキット、四日市コンビナートなどが有名な三重県。近鉄電車に乗れば、京都市内や大阪市内から1時間半〜2時間ほどと、日帰りでも足を運びやすい距離感にあります。

しかし関西に住む人にとっては、気軽に三重を訪れる機会は少ないもの。そこで、三重に興味を持っている人が、顔の見える関係性を築けるきっかけにしたいと考え、ミツカルでは2018年度、三重県庁から委託を受けて「関西から三重とつながるコミュニティ meets三重」を実施しました。1年を通して活動した様子をまとめてご紹介します!

京都からスタートしたmeets三重

ミツカルでは9月に京都、10月に大阪でmeets三重のイベントを開催。各回20〜30名の三重出身者や、三重のことが気になっている人、三重に移住を検討している人が集まり、ゆるやかに交流を深めました。

9月のゲストは、多気町からシムラカズヒロ計画工房 代表の志村和浩(しむら・かずひろ)さん。

東京出身の志村さんがなぜ多気町へ移住するに至ったのか? また志村さんが多気町で運営する「少女まんが館TAKI 1735」や宿泊施設「勢山荘」についてお話をお伺いしました。

なかでも心に残ったのは、志村さんのプロデュース力。

多気町のありのままの自然を体験する「農村ワンダーツアー」や「丹生ハッピーハロウィン」に見られるように、ネーミングセンスやデザイン、何より地域の人を巻き込み、地域内外の人に多気町の魅力を伝えていく力に、参加者のみなさんも惹きこまれていました。

志村さんがプロデュースする「農村ワンダーツアー」
地域の子どもたち向けに開催する「丹生ハッピーハロウィン」

当日の様子は、こちらにレポートしていますので、よろしければご覧ください!

最後はみんなで三重(スリー)ピース!

2回目のmeets三重は大阪で!

10月には大阪でイベントを開催。ゲストには尾鷲(おわせ)市にある温浴施設「夢古道おわせ」の支配人である伊東将志(いとう・まさし)さんをお迎えしました。

伊東さんは、「夢古道おわせ」の立ち上げから関わり、人口約1万7000人の尾鷲市にありながら年間20万人もの人が訪れる観光名所に育て上げた立役者。尾鷲のお母ちゃんがつくった郷土料理を楽しむことのできる「お母ちゃんのランチバイキング」をはじめ、尾鷲でさまざまな地域プロジェクトを仕掛けるニュースメーカーとして活躍しています。

その根底にあるのは、「みんなが選ばない道を行った方が、楽しいに違いない」という思い。10代の頃からその思いを軸に行動してきた伊東さんの言葉はとてもまっすぐで、これから三重へ移住を考えている方や、人生の岐路に立っている方にとって強く背中を押すものになったのではと思います。

伊東さんについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください

高校生レストランのまち・多気町へ

「イベントで三重の魅力を知ったあとは、実際に三重に足を運んでほしい!」と、11月、12月には現地交流会を開催。11月は多気町へ、12月は熊野市へ行き、それぞれの暮らしやなりわいを巡りました。

多気町内には清流宮川が流れ、古くから食の生産どころとして栄えていたそう。ドラマ「高校生レストラン」の舞台になった町としても有名です。

「高校生レストランのまち多気町の食と人を巡る旅」として11月3日開催。

多気町 企画調整課の坂下悠介さんを案内人に、多気町の有名スポット「五桂池(ごかつらいけ)ふるさと村」、「まごの店」、「菜食ゆにわ」などを巡りながら、町歩きをしました。

ランチは、農村レストラン「まめや」にて。旬の食材、地元産、手作りにこだわった心と体にやさしい農村料理に舌鼓を打ちながら、参加者同士の交流を深めました。

この日はちょうど、9月のゲストとしてきていただいた志村さんが「丹生ハッピーハロウィン」を開催中とのことで会場へ。子どもも大人も思いっきり楽しんでいる様子を見て、多気町での暮らしや人との関わりあいのイメージが持てた人も多かったようです。

夜は「勢山荘」にて地元の方々と交流会を開催しました。「せんぱいの店」にお願いしたケータリングや、地元の方々の差し入れで、テーブルの上は料理でいっぱい。ざっくばらんに、さまざまな話をしながら交流しました。おいしい料理は、人と人の距離を近くするなと思った夜になりました。

 

世界遺産のまち・熊野市の日常に出会う

12月に訪れたのは、三重県南部に位置する熊野市。新鹿(あたしか)海水浴場や丸山千枚田など海山川の豊かな自然と、熊野古道をはじめとした長い歴史に育まれたまちです。

 

テーマは、「つくる暮らしを学ぶ旅」。世界遺産のまち・熊野市で暮らすみなさんは、どのような日常を送っているのかを知る1日でした。

日本書紀にも記されている、日本最古の神社といわれる世界遺産「花の窟(はなのいわや)」に参拝したあとは、地域おこし協力隊として活動する近藤久史(こんどう・ひさし)さんのもとへ。

近藤さんは、みかん農家としても活躍中。みかんジュースの飲み比べをさせてもらいました。

また地域おこし協力隊として熊野に移住し、定住した漁師の彌重量(やしげ・りょう)さんのもとも訪れ、海沿いの暮らしや漁師の仕事についてお伺いしました。

夜の交流会は「くまの里山ゲストハウス」にて。新鮮なお刺身や干物、熊野地鶏、果物など熊野ならではの食材に囲まれ、楽しいひと時を過ごしました。

知って、訪れて、もっと好きになる

京都・大阪でのイベント開催、そして多気町・熊野市での現地交流会と全4本立てとなった今年度のmeets三重。

ゲストの話を聞き、三重の魅力を知るだけではなく、その一歩先をご案内する現地交流会まで開催することで、三重への移住に向けて動き出した方も何名かいらっしゃいました。

プレゼンで聞いた場所を実際に訪れ、そこで暮らす人と話をすると、話を聞くだけではわからない地域の魅力に気づくことができます。また非日常の空間に身を置き、自分の内側にベクトルを向けるきっかけになるのも現地交流会に参加する魅力の一つ。

私は何を求めているのか? どんな地域で暮らしたいのか? どう生きたいのか? 慌ただしい日常の中では、ゆっくり考えにくいことも、先輩移住者の話を聞き、美味しい食事や地域の人のあたたかさに触れることで、気づくこともあるのではないでしょうか。

今回ご紹介した三重には、他にもまだまだたくさん魅力的な人やモノが待っています。ぜひ三重のことをもっと知って、訪れて、好きになってください。

今後もミツカルでは、関西からさまざまな地域をつなぐプロジェクトを展開していきます。興味のある方は、ぜひご参加ください!

 

文:北川由依

関西で出会う、岡山の人と暮らし。Meets岡山イベントレポート

ローカルベンチャーを次々と輩出する西粟倉村。
教育を軸としたまちづくりに取り組む和気町。
海の見えるマルシェ「UNOICHI」を開催する玉野市。

まちづくりの先進地域として、全国的にも注目を集める岡山県の魅力を関西にも広めたい。そんな思いをもつ岡山県県民生活部 中山間・地域振興課と連携して、ミツカルでは2018年度、Meets岡山として関西と岡山をつなぐコミュニティづくりに取り組みました。

2018年11月から2019年1月にかけて、全3回で開催したイベントはどれも大盛況!

岡山にゆかりがある方や、これから岡山に移住する方、岡山に関心がある方が30名以上集まり、ゆるやかに交流しました。

第1回目のゲストは和気町、岡山市から登場

左:平井さん、右:佐藤さん

第1回目のイベントは、京都で2018年11月15日に開催。ゲストに、岡山盛り上げよう会の佐藤正彦さんと、岡山県和気町・地域おこし協力隊の平井麻早美さんをお招きしました。

佐藤さんが代表を務める岡山盛り上げよう会は、岡山への移住を考える方に向けたサポート活動をしています。ボランティア団体ながら、会員や協賛企業には一級建築士や不動産コンサルティングを本業とするプロフェッショナルが集い、充実のサポート体制を構築しているそう。

新幹線が停まり、市街地としても発展している岡山駅へのアクセスの良さ。かつ関東よりも家賃が安く、広い家に住めるコンパクトなところを気に入っているそうです。

和気町・地域おこし協力隊の平井さんは、埼玉から岡山へIターン。週3日を商工会、週2日を役場職員として、特産品のブランド認証制度創設や商品の開発支援、JR和気駅前商店街の活性化に取り組んでいます。また、町産リンゴを用いた炭酸果実酒「和氣”syuwasyuwa(しゅわしゅわ)”りんごのうた」を開発し発売するなど、地方だからこそできる小さなチャレンジを楽しんでいる様子が伝わってきました。

海の玉野市、森の西粟倉村からゲストをお招きした2回目

2回目は、大阪にて2018年12月15日に開催しました。ゲストは、うのずくりの森美樹さんと西粟倉・森の学校の羽田知弘さん。

うのずくりは、玉野市にある宇野エリアを愉しく賑やかにする移住促進プロジェクト。2011年6月から始動し、2018年までに53組104名の移住をお手伝いしてきました。

ほかにも、宇野に住むことを楽しむイベントを開催し、人とまちをつなぐ取り組みをしています。

西粟倉・森の学校の羽田さんは、愛知県出身。三重県の大学を卒業後、東京の林業会社で働いたあと、西粟倉に移住しました。西粟倉は、まちの面積の95%が森林。百年の森林構想を掲げ、樹齢60年になる杉やひのきの人工林が育っています。

森の学校が大切にしているのが、作り手の顔が見えるものづくり。実際に山や木を見てもらうことで、製品への愛着が湧くような取り組みをされています。

参加者の中には、「今後、西粟倉への移住が決まっているんです」という方もいらっしゃい、岡山トークで盛り上がった時間となりました。

ラストは笠岡市と美作市からゲスト登場

3回目は、2019年1月17日に京都で開催しました。ゲストは、笠岡で活動するFARMANICの谷本聖さんと、美作で地域おこし協力隊支援を行うNPO法人山村エンタープライズの藤井裕也さん。

FARMANICは、本物の農産物を作りたいとの思いから活動開始。岡山県笠岡市の山の上で自然養鶏を、笠岡市干拓地にて肉用牛の飼育、無農薬、無化学肥料、有機栽培、自然農法、草生栽培で野菜を栽培し、安全でおいしい食を提供しています。また農業というライフスタイルを通して、ニュートラルな生き方そのものを提案する谷本さんのお話に、日頃の食生活を見直したり、食べ物を選ぶ基準を変えようと考えたりする参加者もいたようでした。

左:谷本さん、右:藤井さん

藤井さんはNPO法人山村エンタープライズの代表を務めるほか、一般社団法人岡山県地域おこし協力隊ネットワークOEN代表なども務め、精力的に活動しています。

地域人材の育成プログラムの企画運営、農山村での不登校ひきこもり自立支援事業、移住促進を行う「人おこし事業」の企画など地域内外のネットワークを活かして、地域に必要な事業に取り組む様子が伝わってきました。

どのイベントでも岡山県のおいしいお菓子やドリンクが準備され、なごやかな雰囲気の中で、交流を楽しむことができました。

Meets岡山から、実際に岡山への移住を検討する人や、岡山を訪れる人が現れるなど、関西と岡山がつながるコミュニティづくりの一歩になったのではないでしょうか。

今後もミツカルでは、岡山の人や暮らしに出会うイベントを開催していきますので、みなさんぜひご参加ください!

 

また「岡山県移住ポータルサイト おかやま晴れの国ぐらし」では、随時移住・定住に関する情報発信をしていますので、こちらも合わせてご覧ください。

 

石川・七尾市の事例から学ぶ「都市に住みながら地方に関わる 新しい働き方」イベントレポート

今の暮らしを急には変えられないけど、いつかは地方で暮らしてみたい。地元に戻りたいけど、どんな仕事があるのかがわからない…「地方で暮らす」ことに興味はあっても、そんな悩みがあってなかなか一歩を踏み出せない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

2019年2月8日、京都「TRAFFFIC」にて開催されたイベント「都市に住みながら地方に関わる 新しい働き方(ローカルベンチャー石川・七尾市)」では、石川県七尾市からゲストを招き、都市部で暮らしながらできる地方への関わり方をお聞きしました。

様々なアプローチで七尾に関わる人を増やし続ける

「この会場に石川県出身の方はどのくらいいますか?」そう参加者に尋ねたのは、今回のナビゲーター・岡本 竜太さん

岡本さんの呼びかけに集まった30人以上の参加者の中から10数名の方々が手を挙げました。他の方々は地域の魅力だけでなく、都市部に住みながら地方と関わることのできる七尾市独自の取組みにも興味深々のようです。

左側が今回のナビゲーターを務める岡本さん

岡本さんは民間のまちづくり会社にて、地域の中小企業の採用支援・人材育成研修・移住支援・ツーリズムなどを行っています。

事業の後継者の募集を含め、七尾市の企業の求人を掲載している「能登の人事部」では、地域に根付いた仕事だけではなく、副業として月に1回、能登を紹介する記事を作成するライターの仕事など、都市部で暮らしながら七尾市と関わることのできる仕事の募集を行っています。

また、「能登留学という長期のインターンシッププログラムのサポートも行っており、都市部の大学生が長期休みや休学制度を活用して、七尾市で活動する機会を生み出し続けています。

新しいニュースを発信し続け、七尾の面白さを地元の若者と共に構築していく

続いて参加者の興味を引き付けたのはゲスト友田 景さんのお話です。友田さんは大阪府柏原市と石川県七尾市の二拠点居住者。

七尾市では「七尾街づくりセンター株式会社 ローカルベンチャー戦略アテンダント」として、大阪では「株式会社ビズデザイン大阪 代表取締役」をはじめとする多方面で活躍されています。

「複業・兼業は大企業だけでなく、地域こそ取り組むべきではないかと感じている」という友田さん。

そこで七尾で、「ポートフォリオワーカー」をはやらせようと考えているそう。ポートフォリオワーカーとはどのようなことなのでしょうか?

「例えば、農業を始めるときに、いきなり農業に全てかけるのではなく、今までの仕事のスキルも生かして、別の仕事もしながら、農業を始めてみる。ポートフォリオワーカーとは、そんな風に“自分の好きなように組み合わせる”という働き方です。それが七尾では実現可能なんですよ」

七尾市は能登半島を親指に見立て、第1関節あたりに位置する

今、七尾を含め地方の課題は「働き手が少ないこと」。七尾では若い人は地元に残らず、都会へ出てしまう傾向が強いようです。

その理由は「要するにおもんないからやろ?」と友田さんは言います。都会のほうがやりたい仕事がある、おもしろい生活があると若い人が感じている以上、若い人たちの目が都会へ向くのは当然のこと。

「おもんないって、なんでや?やっぱ新しいことがないでや」と友田さんは続けます。

七尾から新しいニュースを作るために友田さんたちは、新しい取り組みを徹底的に応援し、もっと効果的にたくさんの人へ届くようにPR活動を行っています。

「マニアックナイト」と称したマニアが好きなことを好きなだけ語るイベントは、「七尾でも自分の好きなことを語れる場所が欲しい!」という地元の方の声から生まれたそうで、好評につき、すでに16回も開催されています。

偏愛を語れるイベント、ラインナップを見るだけでわくわくしますね!

他にも地域の魅力を発信するローカルメディア能登半島・七尾移住計画の運営や、後継者不足に悩む企業の支援を行っています。

また昨年の10月には、「大人の会社見学」を開催。後継者を募集している民宿や、カキ養殖の経営者となった移住者の方に、事業承継について詳しくお聞きするツアーを実施しています。

七尾市でどんな仕事ができるのか、興味がある方はぜひ、お問い合わせくださいね。

旅館を通じて、地域の魅力を発信していく

続いて「観光×後継者・農業×事業承継・地域おこし×移住」に携わるゲストから、それぞれの仕事について、またその仕事を通じて感じる七尾市の魅力をお聞きしていきます。

和倉の夕日に染まる宿として、多くのお客様を虜にしている和倉温泉・多田屋。明治18年創業、今年で134年目を迎えます。

その6代目の多田 健太郎 さんは高校まで地元石川で過ごしますが、大学進学のため東京へ。その後、アメリカ留学、日本のIT企業勤務を経て、家業の多田屋を継ぎ、代表取締役となります。

真ん中が多田さん。着ているTシャツは「能登半島移住計画」のもの

今までのように「景色、料理、温泉」というコンセプトは元より、旅館ごとの「個性」を打ち出さなければ、お客様は選んでくれないと考えた多田さん。

そこで、団体旅行客用に設えていた場所を、個人個人が景色を楽しみながら食事ができる場所へ変更するなど、時代に沿った様式に変更するなどの工夫を行っています。

「今後は、旅館の温泉・料理・部屋・売店・エステなど旅館の持つ様々なコンテンツと地域の魅力を掛け合わせて、地域をPRしていきたいと思っています。旅館を通じて地域の魅力を発信していくことは、旅館業が担うべき役割だと考えています」

夕景時に七尾湾を一望できるダイニングレストラン

それらを実現するためには、どんな人が多田屋に加わてほしいかをお聞きしました。

「僕は他の地方で暮らしてから能登へ戻ってきて、改めていい所だなって思えました。地元の人は「なんもない」と嘆く景色の中に能登のいいところがたくさん詰まっているんです」

「僕のようにUターンでここに戻ってきたり、他の地方を見て来た方が持つ「ここいいね!」という目線で、能登の良さを一緒に見つけながら、ビジネスを一緒に組み立てられる人と仕事がしてみたいですね」

まちの財産である「農業」を守り、次の世代へバトンをつなぐ

七尾市の北側に位置する中島町では「農事組合法人なたうち」 が、トータルで農地の管理・運用を行っています。その代表を務めるのが村田正明さん

現在は72ヘクタール、数年後には100ヘクタールを超える農地を管理し、順々に整備・生産を進めています。集落営農活動以外にも、田植え体験や味噌づくり体験を開催し、もっとたくさんの方に農業へ関心を持ってもらえるよう活動しています。

真ん中が村田さん

また、組合スタッフの14名中の4名は県外からの移住者。古くから関わり合いのある人だけでコミュニティを形成するのではなく、移住者目線のアイデアも生かしながら、特産品開発及び販売などを積極的に進めています。

農地組合法人のトップとして地域を牽引してきた村田さんも70歳を超え、そろそろバトンタッチしてくれる人が現れてほしいと言います。

「これからはただ農作物を作るだけではだめです。作ったものをどう売るのか?どんな加工品を作ればいいのかなどをプランニングし、マネージメントできる人が来てくれればと思っています。また、消費者からの質問に答えられることが大切なので、農業の経験もある方だと嬉しいですね」

祖母の家へ孫ターン!“古き良き”を感じる暮らし

七尾市中島町の地域おこし協力隊として活動する本谷 智子さんは、二年前祖母の家がある七尾市に移住しました。以前は大阪の百貨店でバイヤーとしていた本谷さんはモノづくりを通じて、日本古来の良さに気がついたといいます。

右側が本谷さん。本谷さんと村田さんはご近所にお住まいだそう

「お米を作り、梅干しをつける。日本古来の風習が体験できる中島町は、日本のいいところが残っている場所だと感じました。そこで大阪ではなく、七尾に戻ってものづくりに関わろうと決めました」

町の祭りや、ヨットなど七尾での暮らしをめいいっぱい楽しむ本谷さん

町では農業と関りがある祭りが多く、そこに参加することが楽しいと話す本谷さん。祭りを通じて、地域の人たちと濃い関りを築いていることもあり、移住して大変だと思うことはあまりないそう。

また穏やかな七尾湾が近くにあり、休日はヨットを楽しむこともあるそう。なんと、イルカに遭遇することも!山も海も近い、ここだから楽しめるアクティビティも七尾市の魅力の一つです。

様々な働き方に出会い、新たな道しるべを見つけた夜

ここからはゲストとの交流タイム。ゲストの話を聞きながら感想や疑問などを付箋に書いていただき、その付箋を直接、ゲストに渡していただくことにしました。

直接話をすることで、もっと知りたいと思ったことや湧いてきた疑問を深める時間となりました。

特産の中島菜せんべい

会場の至る所でゲストと参加者の談笑している声が聞こえてきました。どのように、今の職業に就いたのか、どんな仕事をしているのか、どんな人たちと共に働いているのか…。

普段知ることのできない現場の声を直接聞ける貴重な機会だけあって、参加者の方も真剣に耳を傾けていました。

あっという間に交流会の時間も終了、最後に岡本さんからこんな言葉をいただきました。

「求人には掲載していなくても、その人に合わせた仕事や、地域の関わり方を作ることもできます。その人のライフスタイルや想いに合わせた地域の関わり方を、一緒に探すお手伝いもできます。ぜひご相談ください!」

兼業や複業、後継者、多拠点居住など多様な働き方が広がる今、七尾市での取り組みは多くの方に新しい道しるべを示してくれました。

今の働き方を見直し、これから何をしていこうかと迷っている人は、そのヒントを見つけに石川県・七尾市を訪れてみてはいかがでしょうか。 

 

ハレの日をつくる人の日常を支える「食」と「カルチャー」|富山の食と人の交流会@大阪 -meets富山【1/27】イベントレポ

「なにを食べて、なにに触れて、生きていく?」

どんなすてきなお祭りも、イベントも、毎日の暮らしはすべて大半の時間を占める日常生活によってつくられます。だからこそ、毎日の暮らしでなにに触れて、どんな人たちと、生きていくのか。そんな素朴で当たり前とも思える、問いの大切さを、改めて体感させられました。

今回は、2019年1月27日(日)に大阪・心斎橋で開催された、富山と大阪をつなぐ交流会、「富山の食と人の交流会@大阪 -meets富山-」について、レポートしていきます。

心理的なキョリを縮めたい

今回フィーチャーするのは北陸・富山県。3,000m級の山々が連なる立山連峰から水深1,000mを超える富山湾に至るまで、高低差4,000mのダイナミックで多彩な自然と、そんな自然によって育まれる食と文化が魅力的な地域です。

まずは富山県の移住交流担当、高木さんからのプレゼン。

実は地理的に見れば、富山県と東京、富山県と関西のそれぞれの距離はだいたい同じくらい。そのためか、富山県はちょうど関東と関西の文化圏の境目にもなっているんだとか。

そんな富山県ですが、近年のホットニュースは新幹線の開業。2015年の北陸新幹線が金沢まで走り、対東京へのアクセスが便利になりました。

しかし、関西から見ると状況は異なります。それまで富山まで直通していた特急がすべて、途中、石川県金沢止まりに。所要時間こそ変わらないものの、新幹線への乗り換えというハードルで心理的な距離が離れてしまっています。

そんな富山と関西の心理的な距離を少しでも縮めたいと、今回富山県が主催して、行われたのがこの交流会です。

生業を持ちながら芸を磨く、暮らしの美しさに惹かれて

ここからはゲストトーク。富山市で創業されたお二人の方がゲストとしていらっしゃいました。

まずおひとり目は、原井 紗友里さん

【プロフィール】

原井 紗友里さん(富山市) 

観光コンサルティング会社「株式会社オズリンクス」代表取締役

富山県富山市生まれ。東京の大学を卒業後、中国・チンタオの日本人学校教師を経て、富山にUターン就職。「とやま観光未来創造塾」グローバルコース修了後、2016年に株式会社オズリンクスを設立し、「越中八尾ベースOYATSU」をオープン。文化の薫る八尾の暮らしを体験できる観光拠点として、県内外からはもちろん、海外からも多くの方が訪れる。着物のアップサイクルブランドtadasも立ち上げ、八尾の光をつくり出している。

一度大学と就職で県外へ出るも、8年後に富山での創業を目指しUターン。「とやま観光未来創造塾」グローバルコースで半年間、実践的なノウハウを習得し、2016年に会社を設立されます。

そんな彼女のフィールドは、縁もゆかりもない山間部の八尾町。毎年9月には年中行事「おわら風の盆」が。町で生まれ育った未婚の26歳までの若者が踊ります。全国から20万人近くの見物客が訪れる一大行事です。

そんな3日間の伝統行事をささえるのが八尾町の日常の暮らし。ナリワイを持ちながら、芸を磨く暮らしの美しさ、文化性に惚れたと原井さんはいいます。

原井さんが手がけるのは観光・アパレル・コンサルティングの三事業。Uターン後まず手がけたのは、観光。八尾町への交流人口を増やしたいという思いで、2016年にとして「越中八尾ベースOYATSU」をオープン。一棟貸しの宿泊滞在拠点と、イベントスペースとして運営しています。

「八尾町の客室」というコンセプトで、よるごはんの提供をせず、町全体をホテルに見立てて滞在してほしいという仕掛けづくり。そのほか、ライブイベントや着物の着付け体験、おわら風の盆で使われる三味線体験なども行っています。

 

その後、2018年に着物のアップサイクルブランド「tadas」を立ち上げました。一点一点古着の着物をほどいて、すべて一点物の商品をつくっていきます。街の女性たちの雇用を生みたいといいます。

人口減少時代にあって、さまざまな事業を行うなかで、すこしでも定住人口を増やしたいと原井さんはいいます。それはおわら風の盆の担い手を育てるため。ご自身も孫がおわらで踊ってほしいというほど、八尾町の暮らしに魅了された原井さん。今後は教育事業にも着手したいと、挑戦はまだまだ続きます。

感受性の高い人とつながり、刺激し合うことで新たな可能性が生まれる

お二人目は、映画が観れるカフェの経営と、イベント企画を手がける、田辺和寛さん。

【プロフィール】

田辺和寛さん

株式会社EverT CEO / DJ / Producer

富山県射水市生まれ。上京し、DJ活動を続けていたが、本来の自分の在り方を考えるようになり、2011年に生まれ故郷である富山へと拠点を戻す。地元のイベント企画会社に勤務後、2014年に独立。富山市中心部で「街と文化と実験」をテーマにした自由空間と「映画が観れるカフェ」を組み合わせた「HOTORI×ほとり座」を経営中。富山県としてのポテンシャルと魅力を最大限に発揮するべく日々奮闘中。

23歳で音楽活動を志し、東京へ。音楽を仕事にするために必死に食らいついたという田辺さん。しかし30歳のときに運命的なお店と出会います。

三軒茶屋にある「orbit」はお店でありながら、家のような独特の空間で、交わされるカルチャーの息づくコミュニティ。それまで音楽のために、普段の生活を疎かに。日常生活におけるサブカルチャーの重要性に気づいた田辺さん。自分でもなにか表現し、発信したいと思い、10年の東京生活からUターンで富山へもどります。

その後、地元のイベント企画会社に就職し2年半、サラリーマンという形で、富山をもう一度勉強し直した、といいます。2014年に独立。「なんでもやる」というスタンスにさまざまなオーダーが舞い込んで、さまざまなイベントや企画を手がけるように。

2017年に「HOTORI×ほとり座」をオープン。店のような家、家のような店をキーワードに映画の見れるカフェをオープン。サブカルチャーと日常生活のキョリを縮めたいと、「ちょっと時間があるから映画を見に行こう」というコンセプトでお店を営んでいます。

感受性の高い人たちとつながり、刺激し合うことで新たな可能性が生まれてくると田辺さんはいいます。そんな熱い思いが刺激されあうなかで、さまざまなイベントや企画が生まれていきます。次の世代にどんなバトンを手渡せるか、田辺さんの挑戦は続きます。

その土地が育んだ食をいただけるありがたさ

そして、イベントをおいしく、華やかに盛り上げてくれた料理を手がけたのは、吉田千佳さん。

【プロフィール】

吉田 千佳 さん(料理研究家)

「食べることを通して、人を元気にしたい」をコンセプトに料理教室など活動

原点は、転勤先の富山で暮らしていた10年前。息子のためにつくった「米ぬかふりかけ~糠ノ助~」の作り方教室を開いたこと。富山の有機野菜カフェや京都の野菜屋のまかない番などを経て、お米と野菜が真ん中のシンプルな食卓を提案し、食の大切さを全国のオトナたち、子どもたちに伝えるライフワーク。

ご自身も富山に10年ほど暮らしていた、という吉田さん。いまでも味噌作りは富山に戻って行うんだとか。この日の食材はどれも、吉田さんが富山県各地から取り寄せた厳選の素材です。

トークのあいだ、料理をその場で用意してくれました。

「豪雪地帯である富山は山に降った雪が、春に雪解け水となって土地を潤し、おいしい水と豊かな野菜を育てる。水がうまいから米やお酒もおいしい。さらにミネラルを豊富に含んだ水が海に流れ込み、海産物を育てている。そうした自然が富山のおいしい食文化を生み出している」と吉田さんはいいます。

富山の人は当たり前のように食べているから気づかないけど、よそ者からするとすごいこと。そんな恵まれた土地での暮らしを、よそ者として経験したからこそ、つくれる料理。毎日口にするからこそ、水や食材のおいしさは暮らしを考えるうえで大切なんだと、おいしさで体感させられました。

よい素材とそれを活かす文化のある土地・富山

熱意あふれるトークと、富山のおいしい食が、和気あいあいとしたの交流の場をつくった印象で、イベントは終始、和やかながら活気ある雰囲気でした。

ギュッとうまみの詰まった富山と、その素材のよさを引き出すキーマンたち。そのどちらもがあって成り立つ文化。そんな富山の魅力に改めて気付かされるイベントでした。

次回は、3月に京都でも開催します。富山ゆかりの方も、富山がなんとなく気になっている方もお気軽にお越しください!

イベント概要
=====
▼日時:3月2日(土)17時00分〜19時00分頃を予定
(受付開始)16時30分頃から
※遅れての参加、途中退場も可能ですので事前にご連絡下さい。

▼会場:GROVING BASE(シェアオフィス&カフェ・イベントスペース)https://groving-base.jp
京都市下京区新町通松原下ル富永町107番地1
《アクセス》
地下鉄五条駅徒歩5分/地下鉄四条駅徒歩9分/阪急烏丸駅徒歩9分
※駐輪場もあります。

▼申込はこちらのフォームからお願いします。
https://docs.google.com/forms/d/11xkJqzThVkWKrJx2Dg9XcKa311MNf41pgq5SIRU7HAA/edit

※京都開催※富山の食と人の交流会@京都 -meets富山-

富山県で活躍する移住者の方から、暮らし・仕事・なりわいづくり・地域性など、今まで知らなかった富山県についてのお話を聞き、富山の食を味わいながら、ゲストや参加者みんなで交流するイベントです!

富山県の人・町のおもしろさや、富山ならではの働き方・暮らし方について発見しましょう!そしておいしい富山の食を味わい、富山の魅力を発見しましょう!

富山にゆかりがある人も、行ったことがない人も、こういうイベントは初めての方も、どなたでも楽しんで頂けますので、この機会に富山好きになってみてはいかがでしょうか〜?

どんな雰囲気なのか気になる方は12/6@京都で開催されたイベントレポートをご覧ください。
◉移住者続出!?地味だけど愛おしい、私たちが富山に惹かれる理由とは。|Meets富山@京都イベントレポート
http://tunagum.com/localnight/event&report/toyama1206/

イベント概要
=====
▼日時:3月2日(土)17時00分〜19時00分頃を予定
(受付開始)16時30分から
※遅れての参加、途中退場も可能ですので事前にご連絡下さい。

▼会場:GROVING BASE(シェアオフィス&カフェ・イベントスペース)https://groving-base.jp
京都市下京区新町通松原下ル富永町107番地1
《アクセス》
地下鉄五条駅徒歩5分/地下鉄四条駅徒歩9分/阪急烏丸駅徒歩9分
※駐輪場もあります。

▼対象者
興味があればどなたでも!!
※初めてでも、お一人でも、友人と一緒でもみなさん楽しんで参加頂ける内容です。
《こんな方は特にオススメ》
・地方に興味があったり、何かやりたいことがある方
・実は富山にゆかりがあるよという方
・富山とか地方に行ってみたいなという方

▼定員
25名程度(申込先着順)

▼当日内容(予定)
・富山県ってどんなところ
・ゲスト話題提供
・富山の食について
・富山の食を味わいながらの交流

《提供メニュー予定》
・ホタルイカ黒づくり
・揚げカナッペ
・ホタルイカ素干しあぶり焼き
・白えびから揚げ
・富山みその豚汁
・白むすび&米ぬかふりかけおむすび

▼参加費
1,500円を予定(富山のおいしい食事と飲み物の振る舞い)

▼話題提供者
①桶川 高明 氏

大学進学で滑川から京都へ。文学部でのほほんと歴史の勉強をしていたが、就活に失敗し人生の見直しを図る。家具デザインくらいならできそうと専門学校へ。その2年間で建築設計の魅力に目覚め、空間設計を生業に。結婚と同時に京都で独立し、母校で講師を務めながら仕事をしていたが、2人目の子どもの出産を機に京都駅前の狭い道の暮らしに見切りをつけ、のびのび遊べる出身地の滑川へ戻る。設計業務を営みながら生まれたまちの寂れ具合に愕然とし、デザイン視点の地域経済活性化事業を仕掛け続けている。

②稗苗 良太 氏

東南アジア・ラオスの農村暮らしを体験したことをきっかけに実家のある富山県魚津市の里山にて就農。 地元産の堆肥を使った有機栽培や農薬や肥料を使わない自然栽培のお米を昔ながらの天日干しにこだわり生産。近年では、在来種の綿花の生産も始め、「食」だけでなく「衣」からもメッセージを伝える(わたはじめプロジェクト)。 県内外のマルシェ出店や、田んぼの世界選手権、出張餅つき、しめ縄づくりなどを主催し消費者との交流の場を大切にしながら米を販売している。 2018年秋より農家仲間のネットワークを活かし、富山県産の農産物を使った「とやまおやき」の販売も始める(郷土おやつあっぽ堂)。

《食の提供》
吉田 千佳 氏(料理研究家)
「食べることを通して、人を元気にしたい」をコンセプトに料理教室など活動
原点は、転勤先の富山で暮らしていた10年前。息子のためにつくった「米ぬかふりかけ~糠ノ助~」の作り方教室を開いたこと。富山の有機野菜カフェや京都の野菜屋のまかない番などを経て、お米と野菜が真ん中のシンプルな食卓を提案し、食の大切さを全国のオトナたち、子どもたちに伝えるライフワーク。

▼申込はこちらのフォームからお願いします。
https://docs.google.com/forms/d/11xkJqzThVkWKrJx2Dg9XcKa311MNf41pgq5SIRU7HAA/edit

▼webページはこちらから
Coming Soon

主催:「くらしたい国、富山」推進本部
富山県総合政策局企画調整室
受託:株式会社パソナ
企画運営:株式会社ツナグム(meetslocalプロジェクト)

《お問合せ》
info@tunagum.com 担当:藤本・北川

※2/8京都開催※「ローカルベンチャー石川・七尾市」事業継承・経営者の右腕・複業・多拠点居住な働き方に出会う

 


「ローカルベンチャー都市 石川・七尾市」
https://initiative.localventures.jp/member/

石川県能登半島の真ん中に位置するこの街は、「森里海山」の自然がとても豊かで、お祭りや伝統産業など古き良き文化が残る街。

今この街には移住者やUターン者が増えていて、まちづくりや産業の活性化や移住支援など、地元と一緒に地域を盛り上げている様々な活動が注目をあびてます。
《七尾市注目の取り組み・団体紹介》
◎能登の人事部
https://noto.work
◎能登半島・七尾移住計画
http://moving770.com

このイベントは能登の人事部が取り組む、ローカルベンチャー七尾市での「働き方」にフォーカスをあて、移住やUターンした方や地元企業の「事業継承・経営者の右腕・複業・多拠点居住」をテーマに、地方やこれからの働き方を参加者みんなで考えます。

・地方での暮らしや働き方に興味があるけどいきなりは難しい
・地方でどうやって仕事をみつけるの?
・就職や転職以外の働き方ってどうやって?
・移住まではいかないけど、二拠点や他拠点暮らしは興味がある

など、地方に興味がある都市部の方の声に、「石川・七尾市」をモデルに、地方での働き方のつくり方について学びます。

また能登半島での豊かな暮らしや、お勧めの場所など、都市部と田舎の違いや比較など、石川県・能登半島・七尾市など全般的なお話もできますので、場所に興味がある方や能登半島に行ったことがない方もぜひおこし下さい。
能登半島をコーディネート(案内)してくれる方々とのつながりから、これからの関係性がイベントでつくります。

もちろん、お一人でも、ご友人を連れての参加もOKです!
どなたでも参加歓迎のため、魅力いっぱいの能登半島・七尾についてや、地方での働き方のデザインについて、みんなで発見しましょう。

《イベント概要》
=====
▼日時:2月8日(金)19時00分〜21時00分
(受付開始)18時30分頃を予定
※遅れての参加、途中退場も可能ですので事前にご連絡下さい。

▼会場:
trafffic
https://trafffic.jp
京都府京都市下京区塩竈町363 ウエダ本社北ビル2F
※最寄り:地下鉄五条、京阪清水五条

▼対象者
興味があればどなたでも!!
※初めてでも、お一人でも、友人と一緒でもみなさん歓迎です。
《こんな方は特にオススメ》
・地方での働き方を探している方
・事業継承・経営者の右腕・複業・他拠点居住に興味がある方
・ゲストに興味がある方
・七尾や石川とゆかりがある方、つながりをつくりたい方
・地方暮らしや関係づくりを考えている方

▼定員
20名程度(申込先着順)

▼当日内容
・ローカルベンチャー七尾市について
・ゲストより話題提供
「事業継承・経営者の右腕・地域おこし・複業・他拠点居住」等
・グループセッション
・交流

▼参加費
500円程度を予定(飲み物・お菓子代として)

▼ゲスト・話題提供者
①多田 健太郎 氏(和倉温泉 多田屋 代表取締役社長)
【経営者の右腕人材】
1976年生まれ、七尾市出身。和倉温泉「多田屋」代表取締役。立教大学卒業後、アメリカへ留学。2006年に地元に戻り、能登の魅力を全国に伝えながら旅館業を営んでいる。趣味はカメラとトライアスロン。https://tadaya.net

②本谷 智子 氏(石川県七尾市地域おこし協力隊)
【Uターン/地域おこし】
石川県小松市出身、39歳。
大阪の大学を卒業後阪神百貨店に就職。
服飾雑貨のバイヤーとしてものづくりや商品開発に関わるうちに日本古来の良さに気が付き、2017年9月両親の実家である七尾市に移住。現在七尾市の中島町にて地域おこし協力隊として活動中。

③村田 正明 氏(農事組合法人なたうち 代表)
【事業継承/一次産業】
七尾市中島町上畠生まれ。 子どもの頃から農業に携わり、上畠集 落の将来を案じていた仲間とともに、 昭和 661年度農事組合法人上畠農業機械 利用組合の法人化設立に貢献し、以後、事務局として地域農業の中心的担い手組織のメンバーとして活動。
現在も集落営農活動、体験交流活動、特産品開発及び販売などを積極的に進めている。

④友田 景 氏 (七尾まちづくり株式会社 ローカルベンチャー戦略アテンダント)
【複業/他拠点居住】
大阪府出身。大学卒業後、テニスインストラクターを経て、2001年に大阪府柏原市議会議員選挙において最年少・最高得票にて初当選。2005年に最高得票にて再選。
2017年5月に株式会社ビズデザイン大阪を設立し、代表取締役就任。大阪に拠点を移して、企業と地域の生き残り支援をすべく活動中。現在は、デュアラーとして、大阪府柏原市と石川県七尾市の二拠点居住をしている。

▼申込はこちらのフォームからか、facebookイベントページを参加予定として下さい。
https://docs.google.com/forms/d/11xkJqzThVkWKrJx2Dg9XcKa311MNf41pgq5SIRU7HAA/edit
※一度申込頂くと完了となります。申込完了メールなどは届きませんので、各自で予定などは管理ください。

▼facebookはこちらから
https://www.facebook.com/events/689232441478591/

主催:能登の人事部
企画運営:株式会社ツナグム(meetslocalプロジェクト)

《お問合せ》
info@tunagum.com 担当:藤本・北川

締切ました!【01/27@大阪】富山の食と人の交流会@大阪 -meets富山-

富山県で活躍する移住者の方から、暮らし・仕事・なりわいづくり・地域性など、今まで知らなかった富山県についてのお話を聞き、富山の食を味わいながら、ゲストや参加者みんなで交流するイベントです!

富山県の人・町のおもしろさや、富山ならではの働き方・暮らし方について発見しましょう!そしておいしい富山の食を味わい、富山の魅力を発見しましょう!

富山にゆかりがある人も、行ったことがない人も、こういうイベントは初めての方も、どなたでも楽しんで頂けますので、この機会に富山好きになってみてはいかがでしょうか〜?

どんな雰囲気なのか気になる方は12/6@京都で開催されたイベントレポートをご覧ください。
◉移住者続出!?地味だけど愛おしい、私たちが富山に惹かれる理由とは。|Meets富山@京都イベントレポート
http://tunagum.com/localnight/event&report/toyama1206/

イベント概要
=====
▼日時:1月27日(日)17時00分〜19時00分
(受付開始)16時40分頃を予定
※遅れての参加、途中退場も可能ですので事前にご連絡下さい。

▼会場:
spinns vintage&café
https://www.spinns.com/vintagecafe_amemura/
大阪府大阪市中央区西心斎橋2-11-30 ブルータスビル2F
※最寄り:心斎橋、なんば駅

▼対象者
興味があればどなたでも!!
※初めてでも、お一人でも、友人と一緒でもみなさん楽しんで参加頂ける内容です。
《こんな方は特にオススメ》
・地方に興味があったり、何かやりたいことがある方
・実は富山にゆかりがあるよという方
・富山とか地方に行ってみたいなという方

▼定員
20名程度(申込先着順)

▼当日内容
・富山県ってどんなところ
・ゲスト話題提供(富山市・射水市移住者)
・富山の食について
・富山の食を味わいながらの交流

《提供メニュー予定》
昆布締め・黒づくり揚げカナッペ・黒とろろおむすび
塩昆布入りかき揚げ・すり身汁、富山産の飲みものなど

▼参加費
1,500円程度を予定
(富山のおいしい軽食・飲み物付き)

▼話題提供者(富山県移住者)
①田辺 和寛氏(富山市)
株式会社EverT CEO / DJ / Producer
上京し、DJ活動を続けていたが、本来の自分の在り方を考えるようになり、2011年に生まれ故郷である富山へと拠点を戻す。
地元のイベント企画会社に勤務後、2014年に独立。富山市中心部で「街と文化と実験」をテーマにした自由空間と「映画が観れるカフェ」を組み合わせた「HOTORI×ほとり座」を経営中。富山県としてのポテンシャルと魅力を最大限に発揮するべく日々奮闘中。

②原井 紗友里氏(富山市)
観光コンサルティング会社「株式会社オズリンクス」代表取締役
東京の大学を卒業後、中国・チンタオの日本人学校教師を経て、富山にUターン就職。「とやま観光未来創造塾」グローバルコース修了後、2016年に株式会社オズリンクスを設立し、「越中八尾ベースOYATSU」をオープン。
文化の薫る八尾の暮らしを体験できる観光拠点として、県内外からはもちろん、海外からも多くの方が訪れる。着物のアップサイクルブランドtadasも立ち上げ、八尾の光をつくり出している。

《食の提供》
吉田 千佳 氏(料理研究家)
「食べることを通して、人を元気にしたい」をコンセプトに料理教室など活動
原点は、転勤先の富山で暮らしていた10年前。息子のためにつくった「米ぬかふりかけ~糠ノ助~」の作り方教室を開いたこと。富山の有機野菜カフェや京都の野菜屋のまかない番などを経て、お米と野菜が真ん中のシンプルな食卓を提案し、食の大切さを全国のオトナたち、子どもたちに伝えるライフワーク。

▼申込はこちらのフォームから申し込みください。

※満員御礼※申込みを締切ました!

主催:「くらしたい国、富山」推進本部
富山県総合政策局企画調整室
受託:株式会社パソナ
企画運営:株式会社ツナグム(meetslocalプロジェクト)

《お問合せ》
info@tunagum.com 担当:藤本・北川

「石川に関わることから始めよう。|Meets石川ナイト@京都イベントレポート【 12/7】」

地域で活躍するゲストをお呼びし、これからの仕事や暮らしを考えるローカルナイト。

 

12月7日京都開催 meets石川ナイト!

京都四条烏丸にある「oinai karasuma」にて、meets石川ナイトを開催しました。

 

▲普段は、コワーキングスペースとして活用されている「oinai karasuma」

 

まずは、石川県 企画振興部 地域振興課 移住推進グループの坂田健(さかたたけし)さんから石川県の紹介。

 

「南北に200キロ、東西に100キロと南北に長い県です。また、北に位置する自然豊かな能登(のと)地域、中心部で都会の雰囲気が漂う金沢市近郊、温泉がたくさんある南側の加賀地域、と大きく3つの地域に分けることができます」

 

▲車で走れる砂浜「千里浜なぎさドライブウェイ」がある、石川県羽咋市出身の坂田さん。

 

参加者の中に石川県出身の方がいるか聞いてみたところ、5人ほどは石川県出身とのこと。また、「金沢に行ったことがある方は?」という問いかけには、ほぼ全員の手があがりました。

 

そんな石川県から今回お呼びした方は、「ノトノオト」の小山基(こやまはじめ)さんと「金沢R不動産」の笠原美緑(かさはらみのり)さんです。

 

▲左手前の男性が小山さん、右手前の女性が笠原さん。

 

地域で暮らす、ということ

まずは、大阪府出身の小山さんのお話から始まります。

 

地域おこし協力隊として能登島に移住され、その後「ノトノオト」を起業。現在は、酒米から酒を作る商品開発、暮らしをめぐるサイクリングツアー、大人も子どもも一緒に能登の自然を探検する「のと島ちびっこ探検隊」などを運営されています。

 

▲商品開発でつくられた「能登島」

 

そんな小山さんは、大学院で生態学を学び、卒業後は東京の環境コンサルタント会社に就職。国立公園の保護などをされていました。

 

2年目には、小笠原諸島に赴任。そこでの暮らしが大きなターニングポイントになったそうです。

 

「1つの会社で長く働くのが当たり前だと思っていました。でも、小笠原の人たちは仕事を作り出し、次々変えていくんです。その姿を見て仕事って変えられるんだ、と気づきました」

 

▲家もつくりだす小笠原の人たちに、衝撃を受けたのだそうです。

 

赴任中に結婚をされお子さんもできた小山さん。赴任終了と同時に移住先を探し始め、能登島に移住することを決意されます。

 

能登島は、人口約2,800人でその中に20の集落があります。また、古くから農業と漁業で生計を立てていた地域です。

 

小山さんが移住を決めるきっかけとなったのが「うれし!たのし!島流し!」という、田舎暮らしを体験するツアー。

 

まず空港で囚人服を着せられ、護送車で島に護送。能登島大橋を渡る際、お奉行様から「仕事のしすぎのため、能登島への島流しの刑に処す」という罪状を読み上げられます。

 

▲流刑の地となっていた能登島。そのことをもとに、考案されたツアーです。

 

夏編だと地元の祭りに参加してもらい、冬編だと島の豊かな食をたらふく食べてもらう、という内容になっています。

 

▲美味しい海の幸がそろう、能登島。

 

「このツアーに参加して、子ども同士の関係性に魅力を感じたんです。上の子が下の子の面倒をみる関係性ができていたんです。また、大人はよその家の子も叱ります。そんな風に子どもを地域で育てる意識がある、ということが移住の決め手になりました」

 

▲前かがみになる、細かくメモを取る、熱心に聞き入る参加者の方々。

 

そう語る小山さん。実際に移住をされ4年が経つ現在は、能登島の良さや悪さをどう思っておられるのでしょうか。

 

「能登島の良いところは、移住者家族が多いことですね。忙しい時に子どもを預けあえるので助かっています。あとは、集落対抗のスポーツ大会が2ヶ月に1回あります。若い世代が顔見知りになれるのは良いのですが、気合が入っている集落だと夜に練習があるので、人によっては大変かもしれません」

 

▲子連れの方もいらっしゃり、小山さんの話に聞き入っている様子でした。

 

そして、小山さんの今後についても話していただきました。

 

「感動体験をしてもらうことでファンをつくり、そこからコアなファンとして地域に関わってくださる方を増やしていきたいです。また、ファンの方には地域と繋がる関係性をつくってもらえるようにサポートしていきたいです」

 

ちょうどいい街、金沢

続いては、富山市出身の笠原さん。現在は、社会人2年目としてソーシャルデザインカンパニー「E.N.N.」の不動産事業「金沢R不動産」で仕事をされています。

 

E.N.N.はほかにも、建築設計「studioKOZ.」、飲食店「a.k.a.」、ショップ「八百萬(やおよろず)本舗」、WEBメディア「reallocal金沢」を運営されている会社です。

 

▲場とまち・都市をつくる、有限会社

 

大学進学を機に、超近距離移住をされた笠原さん。金沢の大学でまちづくりを学んでいました。

 

そして、あるコミュニティデザイナーさんにあこがれ、繋がりやコミュニティという観点から、まちを良くする立場の人になりたいと思い描くように。

 

ですが、様々なワークショップを開催するうちに限界を感じるようになったといいます。

 

「本当に人が繋がっているのか、と疑問に思うようになっちゃって。私はこっちじゃないのかも、と思ったんです」

 

▲これまでの歩みを確認するように話されていました。

 

そんな時期に出会ったのが「リノベーション」という考え方。きっかけは、元仏壇センターをホテルにリノベーションした「HATCHi金沢」ができたこと。

 

「まちづくりには、人が繋がるなどのソフト面と建物などのハード面があることを大学で学んで。全く別物だと思っていたんですけど、HATCHi金沢を見て、一緒にやった方がよっぽどいいな、と思ったんです」

 

▲HATCHi金沢には、国内外問わず様々な人が訪れ、交流が行われています。

 

そして、両方のことができる会社がないか調べているうちに、「E.N.N.」に出会い就職。

 

「多方面からまちづくりに対してアプローチをし、物事をつくる会社です。金沢R不動産はHPだけで集客をしていて、文章や写真、アイコンで物件の紹介をしています。建物のエピソードやその土地の歴史、数字に表れてこない物件の魅力を伝えていることが特徴です」

 

▲金沢R不動産のHP

 

そんな笠原さんですが、不動産の仕事に就いて良かったと感じた出来事があったそう。

 

「金沢市内に新しくできた、カフェの仲介をさせてもらいました。東京から移住して金沢でカフェが開業できる場所を探していた同年代の彼に、物件を紹介したら決めてくれて。街が変わっていく様子を見せてもらっている感覚で、お手伝いできたことが嬉しかったです」

 

▲金沢に行きたい、そんな声が聞こえてきそうな表情

 

カフェの方のように、他府県から移住をされる方が多い金沢。

 

他の移住者の方と話していると、食べ物がおいしいこと、犀川(さいがわ)によく通うこと、最先端の人たちが集まるイベントが多いこと、など金沢の魅力がたくさん出てくるのだそうです。

 

▲金沢にも美味しいものがたくさん

 

笠原さんも金沢に住み始めて6年。現在感じていることを話していただきました。

 

「金沢は、バランスが良い街だと思います。陶芸などの作家さんも多いので刺激になりますし、時間がゆったり流れるところがちょうどいいなと思います」

 

金沢の魅力について、こうも続けます。

 

「飽きないです。6年間住んでいると、好きなものや興味も変わります。でも、そのどれに対しても、街が打ち返してくれる感じなんです」

 

▲金沢市内を流れる犀川。どことなく、京都の鴨川に似ています。

 

移住するその前に

ゲスト2人の話が終わると、交流タイム。

 

石川県から持ってきていただいた、能登の味噌が練り込まれた「味噌饅頭」や金沢周辺で作られた金時芋のお菓子「金沢雅」、奥能登産の「しおサイダー」などを囲み、それぞれ交流を楽しみました。

 

▲噛むとパリパリと音をたてて溶けていくのは、お皿の上にある丸いお菓子「紙風船」

 

そして最後は、感想の共有です。

 

「石川に行ってみようと思います」

 

「京都にいるなら冬の寒さは大丈夫、とアドバイスをいただいたので、金沢に移住するかもしれません」

 

「高校生の時、初めて金沢に行きました。その時に、私は金沢に生まれてくるべきだった、と感じ、やっと来年から金沢に住むことになりました」

 

という声が聞けました。

▲お菓子を片手に、会話も弾みます。

 

移住、それは人生を変えてしまう大きな出来事。だからこそ、なかなか一歩を踏み出せないことも多い。でもまずは、その地域と「関わる」ということをしてみてください。

 

小山さんは「うれし!たのし!島流し!」というツアー、笠原さんは「大学進学」。

 

それぞれ一度、石川という場所に関わりを持ち、その後移住をされています。

 

移住する、そう意気込むよりも、まずは石川県に関わってみることから始めませんか。

 

▲最後は、皆さんで石川ポーズ!