北陸 3県UIターンフェア(福井・石川・富山)に参加しました!

こんにちは!移住したがりライターの鈴木伸也です。

私ごとですが、アラサーになってここ数年、どこで暮らそうかと、ものすごく考えるようになりました。
というのも、自分自身の仕事や暮らしがどうこうというよりも、将来的に子どもができたときにどんな環境で育てたいかなぁと妄想するようになってから、どこで暮らすか、つまり移住という選択を考えるようになったのです。

京都に移住してから10年ちょっと。
京都の外ではどんな暮らしができるのかなぁと思っていたところに、株式会社ツナグムさんにお誘いいただき、「北陸3県UIターンフェア」に参加してきました!

福井、石川、富山の北陸3県のことは、観光地としては大好きなものの、移住先として考えたことはなかったのですが、話を聞いたらめっちゃ興味が湧いてしまいました・・・!

約3時間の北陸3県UIターンフェアをギュギュっと詰め込んでお届けします。

3県のPRからスタート

今回のUIターンフェアの内容は、「トークセッション x 2」と「移住相談ブース」の大きく2つです。
まずは、3県の担当者から各県の魅力などを簡単に紹介。

▼恐竜博物館の写真で福井県さん

▼兼六園の庭園の写真で石川県さん

▼立山連峰の写真で富山県さん

やっぱり観光地としての北陸3県はとても魅力的。
大自然へのアクセスが容易ですし、その自然の恵みから生まれる食べ物がとても豊か。
とにかく私の頭の中は食べ物でいっぱいになっていたのですが、そんな参加者を予測していたのか、会場には各県の名産品(お菓子と飲み物)がたくさん用意してありました。

食の北陸だからこそ胃袋をつかもうという3県の作戦ですね。

▼石川県さんのお土産

▼富山県さんのお土産

▼福井県さんのお土産

私は迷わず「大福あんぱん」に手を伸ばしました。

先ほど、このUIターンフェアには大きく2つのコンテンツがあると言いましたが、このお菓子コーナーは3つ目のコンテンツとしてとても賑わっていました。
お菓子を囲んで参加者同士が交流していて、初めましてにもかかわらず、とても楽しそう。

UIターンフェアというと、各県の相談ブースで担当者と話をするのが一番の目的なので、他の参加者と交流することはほとんどないのではないでしょうか。

連絡先を交換している人もいて、UIターンフェアは移住仲間が見つかる場所でもあるのかぁと新しい発見がありました。

トークセッション1.北陸のしごとライフスタイル丸わかりセミナー

最初のトークセッションには、移住・就職の専門員が登壇。
3県で色分けされています。

▼富山グリーン

▼石川ブルー

▼福井ピンク・・・!?

福井県はまだ法被がないそうですが、ブースはピンク色で統一されています。

移住を考えるきっかけは人それぞれだと思いますが、新しい土地での暮らしや、特に仕事はみなさんが気になるポイントですよね。

私自身は、移住を考えるときは「どんな仕事をしたいか」ということよりも、「どんな暮らしをしたいか」を優先してしまい、ついつい仕事については後回しにしてしまいがちなのですが、このトークセッションでは「暮らし」だけでなく、「仕事」にもしっかりフォーカスしていました。

移住の不安や悩みに答えるべく、数々の移住相談を受け、実際に移住した人をサポートして来た専門員による各県の特徴を簡単にまとめます。

北陸3県の仕事編

●富山の仕事

職人のまちも。工場勤務が未経験でも手に職をつけられる。工芸の職人にもなれる。

共働きが多く(共働きしやすい環境)、貯蓄も多い。20代で家を購入する人もたくさんいる。

●石川の仕事

2次産業が盛んで、部品や製品などシェア日本一の企業がたくさんある。
大手企業はもちろん、大手を支える中小企業も元気。
ちなみに本物のカニのようなカニ風味かまぼこのシェアナンバー1は石川県の企業。

●福井の仕事

福井もものづくりが盛んな県で、社長輩出率が都道府県1位。
求人倍率は2倍なので仕事はたくさんある。
宇宙産業に力を入れていて、超小型の人工衛星を打ち上げるプロジェクトが県内の複数企業によって始動中。

私のイメージでは、北陸3県の産業は、富山はチューリップとお米、石川はのどぐろ(魚)とお米、福井は鯖とお米と、1次産業が強いということしか知らなかったので、こんなにも2次産業が活発だったとはと驚きました。

北陸で田舎ぐらしと聞くと農業を連想しがちですが、工場関連の仕事(生産・営業)もたくさんあるそうです。

北陸3県で工芸や工業といったものづくりが盛んになったのは、冬は豪雪のために畑仕事ができなくなってしまうので、屋内でできる手仕事が副業として発展したそうです。

メガネといえば福井県鯖江市が有名ですが、メガネづくりも農閑期の副業として始まったのだとか。

北陸3県の暮らし編

●富山の暮らし

「田舎暮らし」がしたいという移住者にぴったり。だいたいどこからでも立山連峰が見える。富山の人にとっては当たり前の景色だけど、その雄大な景色が移住の決め手になる人もいるほど。

●石川の暮らし

 

金沢市は大きい街だけど、少し離れれば里山で子供が遊ぶ光景が多く見られる。
お祭りなど地域行事に参加しやすく、地域に溶け込みやすい風土。

●福井の暮らし

進学や就職で県外に出ていく人のおよそ3割がUターンで戻ってくる。そのきっかけは子育てで、地域の人が子どもを見てくれるし、塾に通わずとも全国トップレベルの学力をほこる。

3県とも共通して「子育て」がしやすい環境だということがよくわかりました。
都会だと子育てに孤立してしまう母親が多いとは聞きますが、田舎ではご近所で子どもを見守る文化が今でも残っているそうです。
福井県のある地域では子育てではなく「孫育て」の講習会というのがあり、今と昔では子育ての違いがあるので、その違いをおばあちゃん世代に知ってもらおうという取り組みをしています。

また、塾に通うことがあまりないというのも共通していて、学校の1クラスあたりの学生数が少ない学校も比較的多いので、先生が一人ひとりの勉強をしっかりとサポートしてくれる教育体制が整っています。

私にはまだ子どもはいませんが、結婚をしてもうすぐ30歳になるので、少しずつですが「子育て」「教育」ということを意識するようになりました。
自分自身を振り返ってみても、育ててくれたのは親だけではなく、祖父母や近所のおじちゃんおばちゃんだったなぁと思い出すと、地域のつながりというか、顔の見える関係というのはとても心強いですね。

北陸3県のプレゼンを終えて、司会の藤本さん(株式会社ツナグム)からの一言は「まずは行ってみてください!」でした。

藤本さんも3県に何度か行ったことがあるそうですが、その土地の雰囲気や魅力を言葉だけでは十分に伝わらないので、肌で感じることが一番良いそうです。

各県の担当者さんも、暮らしも仕事も最後までサポートすると力強くおっしゃっていましたので、今回のイベントに参加されていない方でも、移住を検討されていて各県に足を運ぶ際には、気軽に連絡をしてもらえればとのことでした。

移住相談ブース

移住相談ブースでは、各県から2-3名の相談員が移住の相談にのっています。

▼福井県(ふくい移住ナビ

▼石川県(いしかわ暮らし情報ひろば

▼富山県(くらしたい国、富山

3県すべての相談ブースを訪問している参加者も多かったです。一人あたり15分から20分とじっくりと時間をかけて話ができていたように思います。

大型の移住フェアだと参加者が多すぎてじっくりと話が聞けないこともあるのですが、今回のような規模だと3つの県にまたがって、それぞれを深掘りできるので嬉しいですね。
そして初めて知って驚いたのですが、移住関連のチラシやフリーペーパーってすごくたくさんあるんです!
各県ともかなり力を入れて作っているので、これを読むだけでも移住後の暮らしや仕事がイメージできます。

▼富山県

▼石川県

▼福井県

Webにも様々な情報はあるけど、情報が増えすぎてどれをみたらいいかわからない、となってしまいがちなので、こういう紙媒体を手にとって読み比べられるのも移住フェアのいいところなのかもしれません。

先ほども紹介しましたが、移住相談ブースと同じぐらい盛り上がっていたのが、お菓子コーナーです。

各県の名産品をきっかけに話が始まったり、お互いの情報を交換していたりと、とても和やかで楽しい雰囲気でした。

余談ですが、飲食コーナーでおもしろかったのは、3県のお茶比べ。
その土地に馴染めるかどうかを「水が合う」なんて言うこともあるので、お茶との相性も大切かもしれません(笑)

トークセッション2.北陸暮らしとしごとのほんとのところ

トークセッションの第2部では、実際に北陸3県に移住した人のお話を伺います。
こちらのセッションも大変盛り上がったのですが、全部はお伝えできないので、一部分だけご紹介します。

・大松育男さん(石川県へ嫁ターン)

 

兵庫県姫路市出身で、将来の子育てを考えて移住を決意し、妻の地元である石川県にIターンをされました。

移住をする前に転職活動を始め、ILAC(アイラック;いしかわ就職・定住総合サポートセンター)に相談して石川県での仕事を見つけたそうです。

移住先でどんな仕事をするかは最初は特に決めていなかったそうです。ILACさんの紹介で見つけた企業では、分野は全くの畑違いでしたが、同じ営業という仕事をされているそうです。
移住してみて大きく変わったことは、家族の時間が増えたこと。

また、プレゼンではオススメの石川県スポットをご紹介してくださいました。

・川端里枝さん(富山県へIターン)

大阪で暮らしているときに、子育てを考えて移住先を探し、週末になると、様々な地域を訪れていたそうです。
東へ北へと遊びに行くうちに出会ったのが富山県。
立山連峰の景色が移住の決め手になり、家族で移住をしました。

子どものほうがすっと地域に溶け込んでいき、子どもをきっかけに知り合いが増えたそうです。
今は、地産地消加工施設で働きながら子育てをしています。

・石坪直美さん(福井県へUターン)

大阪に住んでいて、京都で働いていた石坪さんのUターンのきっかけは、旦那さんの”東京転勤”。
旦那さんが東京転勤になり、出張も多く家にいることが少ないので、知り合いも少ない東京に住むよりは地元で暮らしたほうがいいのではと家族で話し合って、石坪さんは地元の福井県にUターンを決めました。

今は福井県越前市で小さな長屋商店街「市之助一丁目」の運営をされています。

仲間と作る「市之助一丁目」

「市之助一丁目」は、レンタルスペースと日替わりカフェのある築50年の長屋です。都会から地方に移住した人がカフェをするといったキラキラストーリーをメディアで目にすることも多く、私からするとすごい人のように見えるのですが、石坪さんは「一人ではできなかった」と振り返ります。

移住して落ち着いたころ、何かしたいけど特に決まっていなかった石坪さんは女性の起業セミナーに参加し、今の仲間に出会います。

セミナーに集まった人の中にはやりたいことはあるけど、場所がないという悩みを持った人がいたので、それなら場所を作ろうと長屋の改修を始めます。
仲間を増やすために、SNSを使って壁塗りを一緒にしてくれる人を募ってみんなで作っていったそうです。

SNSを使って仲間を集める、というのは都会的なイメージでしたが、地方でも効果があるんですね。
また、地方だからこそ、旗を立てると目立ちやすく、共感してくれる仲間が集まりやすいのかもしれません。

田舎は忙しい

富山県へ移住した川端さんの印象的な一言、「田舎はいそがしい」

田舎暮らしというと、都会の喧騒から離れてのんびりとした生活を想像するし、むしろそれを期待している人のほうが多いと思うので、ここでこんなことを書くのは憚られるべきことかもしれませんが、その理由を聞くとそれをおもしろがってくれる人もたくさんいるはずです。

田舎がいそがしいのは、「ゼロから始めること」が多いから。
例えば、こんにゃくは買わずに自分たちで作ることもあるそう。

都会での暮らしが便利になればなるほど、暮らしの一部を自分たちで作りたいという人も増えているように思います。DIYや週末農業ブームもその一つではないでしょうか。

田舎のいそがしさには、暮らしの知恵や生きる力を学べる機会がたくさんありそうだと、私は感じました。

ちなみに、福井県にはイオンモールがないそうで、なければ楽しい場所を自分たちで作ってしまおうという裏話が「市之助一丁目」にあるそうです。

関西と北陸の違い

関西と北陸の違いで大変だったことはありますか?という藤本さんの質問に、石川県に移住した大松さんの回答がこちらです。

「ボケてもツッコんでくれない」

関西のノリでボケてもなかなか突っ込んではもらえないそうで、石坪さんも川端さんも深く頷いていました(笑)

キュウリの単位が変わったという川端さんのお話もおもしろかったです。
大阪ではキュウリを1本、2本という単位で買っていたけど、田舎では1キロ単位で農家さんからもらうことがあり、キロ単位でもらった野菜をどう使おうかと、保存食の方法を学ぶようになったそう。

簡単にですが移住者のエピソードをご紹介しました。
移住といっても三者三様で、当たり前かもしれませんが、それぞれの家族の暮らし方や働き方があるんだと実感しました。

一人ひとり、家族ごとにハードルも違うので、ケースバイケースで対応してくれる相談員の皆さんの支援は心強いですし、このような場で移住を考えている仲間を増やすことも、移住に向けた一歩なのかもしれません。

トークセッション後も、各ブースでは移住の相談を受け、またゲストの方に直接お話を伺うなど、最後まで熱気が溢れていました。

最後に、イベントの開始10分で思っていたのですが、「北陸3県」というくくり方はずるいですよねぇ。
ただでさえ、それぞれの県には豊かな自然があって、海でも山でも平地でも美味しい食べ物が手に入るのに、その3県が合わさって「北陸3県」だなんて。

ーお知らせー

北陸3県への移住フェアなのに、京都で活動している株式会社ツナグムが司会してるってどういうこと?とモヤモヤしている人も少なからずいるかもしれません。

ツナグムさんは、京都への移住だけでなく、一人ひとりが暮らしたい場所で暮らすことを応援しています。

京都は地方からの学生さんや移住者が多いこともあり、京都と地方のコミュニティを作る事業(ミツカル-MEETS LOCAL-)もしていて、今回のイベントのように県庁などの自治体とタッグを組んだイベントを企画しています。

12月15日(金)には、石川県を知れる「石川ナイト@京都」が開催されます!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲストには、石川にUIターンして、おもしろい取組やプロジェクトをしている20-30代の方がいらっしゃるそうです。

▼日時
12月15日(金)19:00~22:00 (18:30受付開始)
※途中参加、途中退場も可能です。その場合は事前にご連絡ください。

▼会場
京都リサーチパーク町家スタジオ(京都府京都市上京区福大明神町128)
※市バス堀川中立売徒歩3分 ※地下鉄今出川駅徒歩15分
http://www.krp.co.jp/machiya/access.html

▼参加対象
・地域での仕事やコミュニティづくりに興味がある方
・地方インターンに興味のある方
・ゲストに興味がある方
・石川出身やゆかりがある方や、興味のある方
・そのような参加者とつながりたい方
※石川にゆかりがなくても参加いただけます。学生やわかもの大歓迎

▼定員:25名程度

▼当日の内容
【01】 石川県について、いしかわワーホリについて
石川県ってどんなとこ?人や暮らし・産業や働き方などは?石川を知らない人でも出身の方でも発見のある石川県のあれこれや、いしかわふるさとワーキングホリデーの活用などのお話をします。
◉石川暮らし情報ひろば
https://iju.ishikawa.jp
◉石川県ふるさとワーキングホリデー
https://ishikawa-wh.com

【02】ゲストトーク
石川に住みながら、地域の仕事をなりわいにするゲストから、石川での人や活動をモデルに、様々な働くや暮らすについてお話します。
《ゲストスピーカー》
◉飯貝 誠 氏(東京→加賀市 Uターン)
東京の大手IT企業にSEとして従事後、結婚を期に退職し夫婦で575日間の世界旅行に出かけた後、加賀市にUターンし”大人になることがワクワクする塾”タビト學舎を設立。高校生に勉強を教え、社会人とつなげ社会を届ける傍ら、元診療所をリノベーションした塾舎を利用し、哲学カフェや、オトナの学び合い講座、まちづくり学校、地域に特化した財団の運営なども行っている。

◉福岡 大平 氏(愛知→羽咋市 Iターン)
愛知県の大学を卒業後、石川県の大学院に進学し、石川県に魅了され羽咋市の地域おこし協力隊として移住。有害鳥獣対策の一環として力を入れているイノシシ肉の特産化事業に取り組んでいる。また打ち上げ花火師として打ち上げ作業、地域コミュニティの活性化のためにコワーキングスペースの運営、地元高校の魅力化事業、地域協議会のアドバイザーなど精力的な活動を行っている。

【03】 石川にまつわるトークセッション・グループトーク
石川をテーマに、ゲストや参加者みんなで楽しく話したり・考えたりしながら、石川の新たな働き方や関わり方について発見したり、石川をおもしろがりながら参加者同士で楽しくお話します。

【04】 交流
ゲストや参加者の方とみんなで楽しく話し、つながります

▼参加費(石川産のお土産つき!!)
学生:500円
社会人:1000円

▼申込は下記フォームよりお願いします。
https://docs.google.com/forms/d/11xkJqzThVkWKrJx2Dg9XcKa311MNf41pgq5SIRU7HAA/viewform?edit_requested=true

 

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