問いからはじまる共創空間
QUESTION
地域金融機関が京都に対して出来る「もっと」の実現サポート
京都信用金庫が河原町御池に新しくつくった拠点「QUESTION」の構想段階からオープン後の運営支援まで、コアパートナーとして協働しています。QUESTIONは、既存の信用金庫事業とは異なる地域金融機関として、『新しい価値を生み出す場』を目指して立ち上がりました。
京都信用金庫はQUESITONについて、「一人で解決できない『?』に対し様々な分野の人が集まり、みんなが寄ってたかって答えを探しに行く場所。」と意義を位置づけしています。これを私たちは「京都信用金庫がこれまでに培ってきた広いネットワークと信頼をベースに、京都をより良くするプロジェクトを生み、イベントなどを通して広め(育てていく活動を行う拠点」と捉えました。
その上で、具体的にどのような成果を生み出していくべきか、関わってもらうことでこの場所がより魅力的になる方法はないかを検討するなどの企画支援を通じて、QUESTIONスタッフ、他パートナーの方々とこの場所が京都の新しい価値を提案する場所になることを目指して取組をおこなっています。
プロジェクト概要
- 事業名
京都信用金庫QUESTION企画運営パートナー参画 - 事業期間
2019年1月〜 - 担当者
田村篤史(全体統括)
タナカユウヤ(イベント企画・運営支援)
片山良人(プロジェクト支援)
北川由依(情報発信支援) - クライアント
京都信用金庫
相談内容
フィンテック事業者の参入、金融緩和による低金利が定着した現在。金融ビジネスの外部環境は、特に銀行や信用金庫の貸出・融資を中心にしたビジネスモデルに大きな脅威を与えています。
例えば、銀行のお店に出向いて預金通帳を作る代わりに、オンラインで手続きが完結するネット銀行で口座を作り、振込、支払は〇〇PAYアプリでスマホ上で完結させる。新しいプロジェクトは融資を受ける代わりにクラウドファンディングを実施し事業資金獲得と顧客コミュニティの構築を同時に行う方法を選ぶ。これらは少し前まで預金と融資が行える金融機関しか担うことができない事業でした。
時代が移り変わる中で、多くの銀行・信用金庫が新しい事業、価値提供の手段構築のための模索を始めています。また、政府も規制緩和を通じてその取組を後押ししています。
京都信用金庫の出した答えの一つが、「繋がりを通じた地域貢献、まちづくりによる地域金融機関の新たな提供価値の創造」でした。
京都信用金庫は旧くから自社を、顧客・地域との関係性を重視した「コミュニティバンク」と定義しており、取引先同士のマッチングの他にも地域活動の支援や職員の自治体への派遣など、他の金融機関では行っていない取組を多く行ってきました。
しかし、京都信用金庫もやはり本業は各地のお店をベースにした預金・貸出です。コミュニティバンクとして京都のために取り組んできた物事をより多くの人に伝え、価値を高め、そして経済的な面も含めて京信にとっても持続可能な状態をつくることが必要でした。
そこで営業店とは異なるまちづくりや地域をよりよくするための活動を中心に行う場所を創ることで、こうした課題を解消し、地域金融機関の新しいかたちを世の中に提案できるのではないか、という仮説のもと「QUESTION」プロジェクトは始まりました。
企画・提案
私たちに求められた役割は、「京都移住計画」のメディア運営やイベントの企画運営を通じた情報発信、多くの移住者の方や地域企業、自治体とのコミュニケーションを通じて行ってきたまちづくり、事業企画支援の経験をいかした伴走支援です。
QUESTIONの建設が始まる前の2019年1月から、主にQUESTIONスタッフ、コアパートナーのみなさんとのコミュニケーションを通じてQUESITONが果たす役割の具体化、その実現手段の構築を中心に場作りを協働しています。
OPEN前は全8階ある各フロアの役割、必要な内装設備、そこで行われる活動の設計、新しく参加したスタッフの方も含めたプロジェクトチームビルディングなどを実施。
2020年11月のオープン後は、施設運営のサポート、イベントやプロジェクトのゴール設定、イベント運営や情報発信関連の技術的なサポートの他、多くのプレイヤーを繋ぐことでより良いコミュニティを創ることの支援を行っています。
また、8Fのコミュニティキッチン「DAIDOKORO」を運営するにあたり、株式会社ツナグムと京都信用金庫が共同出資し、株式会社Q’sを設立。会員制のコミュニティキッチン「美食倶楽部」の運営を中心に、京都と地方のハブとなる食イベントなどを企画・実施しています。
実施内容・成果
QUESTIONスタッフ・パートナーの方々と共に、今も多くの模索しながら活動を行っている最中です。まずはQUESTIONから京都に提案できる価値づくりを実現させることが目標です。
私たちは、一人ひとりの強みや得意なことをいかしあいながら、会社全体で運営に伴走しています。
株式会社ツナグム/株式会社Q`s 代表取締役 田村篤史
京都信用金庫との出会いは、ツナグムの創業前、京都移住計画の取り組みを始めた頃に遡ります。「我々、信用金庫が本来的にやっていく必要があることをしている」と応援頂いたことを覚えています。
金融機関と聞くと、お金を貸すだけといった冷たい印象を持っていましたが、お客さんの為に、地域の為に、お節介を焼く姿勢や関わり目の当たりにし、その印象がガラリと変わりました。
人と人、人と企業、あるいは地域をつなぐことで、新たな価値をつくることをミッションに事業を行う弊社としても、コミュニティバンクを標榜する京信さんに、合い通ずるものがあると感じていました。
今回QUESTIONのチャレンジにお声がけ頂き、企業あるいは地域にとっての金融機関の役割を再定義し、アップデートしていくことで、この場所に集う様々な人と共に、それぞれの力が活かし合うことや、化学反応を起していくことで、より良い地域社会に向かって共に歩んでいきたいと思います。
QUESTION 副館長/株式会社Q`s 取締役 津田郁太
私とツナグムさんとの出逢いは5年前くらいですが、ツナグムさんの取組が京都信用金庫が目指しているビジョンとすごく親和性があると感じたことを覚えています。
その後も色々な場面や事業で関わりを持つ中で、QUESTIONの計画が決まりました。京都信用金庫だけでは実現できないことを一緒にやってくれるパートナーを探すことになった時に、最初に思い浮かんだのがツナグムさんです。金融機関として新しいジャンルでチャレンジングなことをしていく上で、これまでの関係性の中で私たちの大切にしていることを理解していて、一緒の方向を向いてビジョンの実現ために伴走してくれるという確信があったので、お願いをしました。
QUESTIONの運営が始まってからは、ツナグムさんとしてあまり全面に出るという形ではなく、私たちのスタッフが成長するための伴走や、色んな方に知ってもらうためにこの場所を紹介してくれています。
これからも、この場所が地域のために存在して良かったと思ってもらえるために、自分ゴトとして一緒に場づくりをしていきたいと思います。