移住者続出!?地味だけど愛おしい、私たちが富山に惹かれる理由とは。|Meets富山@京都イベントレポート【 12/6】

山、里、海の三拍子がコンパクトな地形の中にぎゅっと詰まった富山県。

けれど「富山のいいとこは?」と聞くと、「なぁんもないちゃ」と返す県民性。県内どこにいても豊かな自然と食べ物が常に身近にある環境からか、県民みずから富山のことをPRすることは少ないそう。しかし今、富山の魅力に惹かれてじわじわと移住者が増えているのです。

12月6日(木)、京都・五条にある「GROVING BASE」にて開催された「Meets富山ナイト〜京都でつながるローカル交流会〜」では、実際に他県から移住したゲストより「暮らし・食・観光・働き方」などをお聞きし、富山の魅力を知ることができました。

 

 

地味だけど旨みがすごい富山県!?

 

「私、京都と富山の共通点をみつけました。それは昆布です」と、富山の紹介を始めたのは富山県総合政策局企画調整室・主任の髙木拓実さん。

 

「昆布」を重宝する食文化は、京都も富山も同じですが、それだけでなく、昆布の消費額が全国1位の富山では、昆布を使用したパンやスイーツもあるそう!ただ昆布が好きなだけではなく、髙木さん曰く「地味だけど旨みがある」昆布と、富山の風土や県民性には共通点があると話します。

 

「富山はたくさん旨みをもつ、無限の可能性を持っている土地なんです。今日は県外から移住したゲスト2人に、そのぎゅっと詰まった魅力あふれる富山の「旨み」を余すことなく伝えていただきましょう!」

 

 

髙木さんのお話を終えて参加者の皆さんの前に運ばれてきたのは、日本ワインコンクールで受賞経験もある氷見市の「SAYSFARM(セイズファーム)」のワイン。リンゴのシードル、白ワインを各自いただき、みんなでまずは乾杯!

 

SAYSFARM」のワインは人気で入手困難。マネージャーの飯田さんは大阪から富山への移住者だそう。

 

 ▲まずは「乾杯自己紹介」。自己紹介が終わったら、みんなと乾杯!

 

嫁ターンで氷見へ!デザイナー、お父さん、「HIRAKU」管理人…様々な視点から見えてきた氷見の日々

 

乾杯と共に参加者同志の距離がぐっと縮まったところで、ゲスト一人目の 平田佳史(ひらたよしふみ)さんのお話へ。平田さんは、デザイナーとして関西で働いていましたが、子どもが生まれたことを機に、奥様の実家の氷見へ移住。現在はデザイナーの仕事も請け負いながら、氷見市の地域おこし協力隊を務めています。

ひらたよしふみさん、名前に「ひ」と「み」の二文字が入っています。

氷見に暮らして2年。香川で生まれ育ち、関西で長年過ごしてきた平田さんだからこそ気づいた、「氷見だからできること」をご紹介いただきました。

 

▲平田さん撮影の氷見の海。季節によって様々な顔を見せる。

 

子育てにまつわる「氷見だからできること」。地域に子どもが少ないため、祭りのお稚児さんをやらせてもらえたり、体育館約半分ほど大きさの定置網の遊具で遊べたり。氷見で育つ子どもたちしか経験できないこともたくさんあるそう。

 

また自然に恵まれた氷見だからこそできる体験が、常に身近にあることも大きな魅力。山でなった梅からジャムを作ったり、ご近所で農業を体験できたり、ヤギに触れあえたり。都会だったらお金を出さないと体験できないことが、すぐ近くで体験することができる環境です。

 

 

また市内に唯一の酒造場があったり、効能高い温泉があったりと、大人にとっても嬉しい環境もたくさん。「都会的な楽しみは少なくても、大人にとっても、子どもにとっても、氷見には季節に応じて楽しみがいっぱいある」と平田さんは言います。

 

また地域おこし協力隊として務める平田さんは、リノベーションスクールに参加したことをきっかけに商店街の遊休不動産のおもしろさにはまり、同じ地域おこし協力隊のメンバーと共にコミュニティスペースHIRAKUを作ることに。

 

▲地域おこし協力隊として移住してきた3名で、食・デザイン·DIYとそれぞれの専門分野のスキル&経験を活かして運営中。

 

 

「自然や食は豊かな場所なんですが、いわゆる「関わりを作る場所」がなかったんで、こういう場所を作りたいと思いました。本棚の材木や、テーブルの木はいただきもの。電気工事以外は自分たちの手で行いました」

 

そんな「HIRAKU」で開催されるイベントは、思わず関西からでも参加したくなるイベントばかり。映画を自主開催で上映したり、職人さんに和菓子を教わるワークショップを開いたり。海産物を使ったところてん作りや、魚の皮を使ったスリッパづくりなど、氷見だからできるワークショップも盛りだくさんです。「HIRAKU」には続々と、「ここに来ればおもしろいことがある!」と市外からも感度の高い人たちが集まってきています。

 

(イベント情報はこちら→ヒミヒラクプロジェクト

 

HIRAKUで開催されたイベントの様子。(左下は魚の革でスリッパを作るワークショップの様子)

 

この先もどんどん面白い人たちが集まり、氷見ならではのカルチャーがどんどん「HIRAKU」から発信されそう。氷見から生み出されるカルチャーを体感してみたい人はぜひ、氷見へ足を運んでみてくださいね!

 

 

HIRAKU」HP      

 

おもいたったら「高岡」へ!町と訪れる人をつなぐ「ほんまちの家」の加納さんだからこそ知る、魅力だらけの高岡の姿

 

二人目のゲストは、加納亮介(かのう りょうすけ)さん。千葉県で生まれ育ち、今も東京の大学院で学ぶ加納さんが、高岡の町家体験ゲストハウス「ほんまちの家」の管理人をすることになった経緯や、加納さんが惹かれた高岡の町の魅力をご紹介いただきました。

 

 笑顔で高岡について話す加納さん。当日用意していただいたスライドはなんと90枚!!

 

「高岡でも、おもしろい活動がおきていますよ」

 

大学時代に尾道で空き家再生プロジェクトに参加していた加納さん。自分でもいつか手がけてみたいと考えていた矢先、大学の先生のこの一言が、加納さんの足を高岡へ向かわせました。そこで、高岡のまちなか居住促進をめざす高岡まちっこプロジェクトと出会い、高岡の町に関わり始めることになります。

 

▲「高岡まちっこプロジェクト」街歩きの様子

加納さんは高岡に出会ってすぐ、空き家をリノベーションし、ゲストハウスにするプロジェクトに参加。地域の人たちに「みんなごと」と捉えてもらえるように、漆喰塗りのワークショップを開催するなど、市役所・地域住民・地元大学生など多くの人と「つくるプロセス」を共有しながら進めていきました。

 

2014年3月に完成した「ほんまちの家」

 

そして、2014年3月に「ほんまちの家」が完成。

「決まっていた就職先の内定をけって、高岡に残ろう、移住しようと決めたのは、ちょうど僕の誕生日パーティーでした」

 

▲加納さんの誕生日パーティーの様子。この日、高岡に移住しようと決意した。

 

移住後、加納さんは「ほんまちの家」の管理人に。明るく朗らかな人柄に、地域の人だけでなく県外からも多くの人が「ほんまちの家」を訪れるようになりました。ゲストハウスとしてだけでなく、野菜の移動販売の場所や、夏休みの子供合宿など、地域のコミュニティスペースとして利用されることもあるそうです。

 

また「ほんまちの家」の管理人として活動するほか、和菓子屋さんの倉庫をお祭りの時のオープンスペースとして再利用した「baikado倉庫」や、町の人から「寄合い所が欲しい」との声から作られた「まちかどサロン」の立ち上げに携わるなど、町の空き家再生事業に幅広くかかわっている加納さん。実はこんな考え、活動に取り組んでいます。

 

「町にある「空間」をこんな「場所」にしたい!っていう思いを持った人や作り手さんを、高岡にもっと増やしていくことが「町を継ぐ」ということなのかなと考えています」

 

▲和菓子屋さんの倉庫がオープンスペースとして生まれ変わった「baikado倉庫」。

 

▲元々文房具屋さんだった場所は「まちかどサロン」として生まれ変わった。

 

高岡の魅力を感じてもらうために、「まずは一度来てみてください!」と加納さん。

 

「高岡は祭りが多く、祭りの際には見事な曳山(山車)を見ることができます。ぜひ高岡ならではの曳山文化を楽しんでもらいたいですね。他にも「かかし祭り」や、万葉集を三日三晩歌い続ける「万葉朗唱の会」というユニークな祭りもあります。蕪を麹で付けた「かぶら寿司」という郷土料理を出してくれる冬限定のお店など、たくさんのおススメがあります!」と、ここにはすべて載せきれなかったのですが、朝から夜まで高岡の町の魅力を余すことなく堪能できる最高のプランを提案してくれました。

 

▲美しい曳山が練り歩く御車山祭り

 

詳しく知りたい方は、ぜひ「ほんまちの家」に加納さんを訪ねてみてください。高岡に暮らす加納さんだから知る、スペシャルな高岡情報をお聞きすることができますよ!

 

次回は大阪でMeets富山を開催します!

 

ゲストトークの後は、ゲストを交えて交流会を行いました。先ほどいただいた「SAYSFARM」のワインと美味しい富山の珍味を味わいながらする会話は各グループ、大盛り上がりの様子。

 

▲富山の美味しい珍味。富山の地酒「満寿泉」のキットカットも!

 

参加者の皆様に今日のイベントの感想を聞いてみると…

 

・奥さんが富山出身で移住を予定しています。今日のイベントをきっかけに決心がついた!

 

・カナダから富山へ「嫁ターン」予定。ほとんど食の話ばっかりだったけど、富山のいいところ をたくさん聞けて良かった!

 

・富山に実家があるが帰ろうか迷っている。どんな生業をどのようにやっていけばいいか、ヒン トをもらえた

 

など富山に移住予定の人がたくさんいらっしゃることが判明。皆さん移住に関して、ゲストや参加者から自分が知りたかった情報を得ることができたようでした。

 

次回は2019年1月27日(日)大阪で富山のイベントを開催予定。記事を読んで富山に訪れてみたいなと思った方も、移住を検討している方も、ぜひ足を運んでみてください。

 

▲最後に笑顔で「エア鰤(鰤を持ってるポーズ)」!