旅をしたらもっと好きになる。meets三重からはじまる移住、交流、コミュニティ

地元に帰りたいけど、どんな人がいるのかな?
気になっている地域があるけれど、どうやって関わりを持てばいいかな?
そんな方を対象に、ミツカルではゆるやかに地域と交われるきっかけづくりを進めています。

今回ご紹介するのは、伊勢神宮、鈴鹿サーキット、四日市コンビナートなどが有名な三重県。近鉄電車に乗れば、京都市内や大阪市内から1時間半〜2時間ほどと、日帰りでも足を運びやすい距離感にあります。

しかし関西に住む人にとっては、気軽に三重を訪れる機会は少ないもの。そこで、三重に興味を持っている人が、顔の見える関係性を築けるきっかけにしたいと考え、ミツカルでは2018年度、三重県庁から委託を受けて「関西から三重とつながるコミュニティ meets三重」を実施しました。1年を通して活動した様子をまとめてご紹介します!

京都からスタートしたmeets三重

ミツカルでは9月に京都、10月に大阪でmeets三重のイベントを開催。各回20〜30名の三重出身者や、三重のことが気になっている人、三重に移住を検討している人が集まり、ゆるやかに交流を深めました。

9月のゲストは、多気町からシムラカズヒロ計画工房 代表の志村和浩(しむら・かずひろ)さん。

東京出身の志村さんがなぜ多気町へ移住するに至ったのか? また志村さんが多気町で運営する「少女まんが館TAKI 1735」や宿泊施設「勢山荘」についてお話をお伺いしました。

なかでも心に残ったのは、志村さんのプロデュース力。

多気町のありのままの自然を体験する「農村ワンダーツアー」や「丹生ハッピーハロウィン」に見られるように、ネーミングセンスやデザイン、何より地域の人を巻き込み、地域内外の人に多気町の魅力を伝えていく力に、参加者のみなさんも惹きこまれていました。

志村さんがプロデュースする「農村ワンダーツアー」
地域の子どもたち向けに開催する「丹生ハッピーハロウィン」

当日の様子は、こちらにレポートしていますので、よろしければご覧ください!

最後はみんなで三重(スリー)ピース!

2回目のmeets三重は大阪で!

10月には大阪でイベントを開催。ゲストには尾鷲(おわせ)市にある温浴施設「夢古道おわせ」の支配人である伊東将志(いとう・まさし)さんをお迎えしました。

伊東さんは、「夢古道おわせ」の立ち上げから関わり、人口約1万7000人の尾鷲市にありながら年間20万人もの人が訪れる観光名所に育て上げた立役者。尾鷲のお母ちゃんがつくった郷土料理を楽しむことのできる「お母ちゃんのランチバイキング」をはじめ、尾鷲でさまざまな地域プロジェクトを仕掛けるニュースメーカーとして活躍しています。

その根底にあるのは、「みんなが選ばない道を行った方が、楽しいに違いない」という思い。10代の頃からその思いを軸に行動してきた伊東さんの言葉はとてもまっすぐで、これから三重へ移住を考えている方や、人生の岐路に立っている方にとって強く背中を押すものになったのではと思います。

伊東さんについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください

高校生レストランのまち・多気町へ

「イベントで三重の魅力を知ったあとは、実際に三重に足を運んでほしい!」と、11月、12月には現地交流会を開催。11月は多気町へ、12月は熊野市へ行き、それぞれの暮らしやなりわいを巡りました。

多気町内には清流宮川が流れ、古くから食の生産どころとして栄えていたそう。ドラマ「高校生レストラン」の舞台になった町としても有名です。

「高校生レストランのまち多気町の食と人を巡る旅」として11月3日開催。

多気町 企画調整課の坂下悠介さんを案内人に、多気町の有名スポット「五桂池(ごかつらいけ)ふるさと村」、「まごの店」、「菜食ゆにわ」などを巡りながら、町歩きをしました。

ランチは、農村レストラン「まめや」にて。旬の食材、地元産、手作りにこだわった心と体にやさしい農村料理に舌鼓を打ちながら、参加者同士の交流を深めました。

この日はちょうど、9月のゲストとしてきていただいた志村さんが「丹生ハッピーハロウィン」を開催中とのことで会場へ。子どもも大人も思いっきり楽しんでいる様子を見て、多気町での暮らしや人との関わりあいのイメージが持てた人も多かったようです。

夜は「勢山荘」にて地元の方々と交流会を開催しました。「せんぱいの店」にお願いしたケータリングや、地元の方々の差し入れで、テーブルの上は料理でいっぱい。ざっくばらんに、さまざまな話をしながら交流しました。おいしい料理は、人と人の距離を近くするなと思った夜になりました。

 

世界遺産のまち・熊野市の日常に出会う

12月に訪れたのは、三重県南部に位置する熊野市。新鹿(あたしか)海水浴場や丸山千枚田など海山川の豊かな自然と、熊野古道をはじめとした長い歴史に育まれたまちです。

 

テーマは、「つくる暮らしを学ぶ旅」。世界遺産のまち・熊野市で暮らすみなさんは、どのような日常を送っているのかを知る1日でした。

日本書紀にも記されている、日本最古の神社といわれる世界遺産「花の窟(はなのいわや)」に参拝したあとは、地域おこし協力隊として活動する近藤久史(こんどう・ひさし)さんのもとへ。

近藤さんは、みかん農家としても活躍中。みかんジュースの飲み比べをさせてもらいました。

また地域おこし協力隊として熊野に移住し、定住した漁師の彌重量(やしげ・りょう)さんのもとも訪れ、海沿いの暮らしや漁師の仕事についてお伺いしました。

夜の交流会は「くまの里山ゲストハウス」にて。新鮮なお刺身や干物、熊野地鶏、果物など熊野ならではの食材に囲まれ、楽しいひと時を過ごしました。

知って、訪れて、もっと好きになる

京都・大阪でのイベント開催、そして多気町・熊野市での現地交流会と全4本立てとなった今年度のmeets三重。

ゲストの話を聞き、三重の魅力を知るだけではなく、その一歩先をご案内する現地交流会まで開催することで、三重への移住に向けて動き出した方も何名かいらっしゃいました。

プレゼンで聞いた場所を実際に訪れ、そこで暮らす人と話をすると、話を聞くだけではわからない地域の魅力に気づくことができます。また非日常の空間に身を置き、自分の内側にベクトルを向けるきっかけになるのも現地交流会に参加する魅力の一つ。

私は何を求めているのか? どんな地域で暮らしたいのか? どう生きたいのか? 慌ただしい日常の中では、ゆっくり考えにくいことも、先輩移住者の話を聞き、美味しい食事や地域の人のあたたかさに触れることで、気づくこともあるのではないでしょうか。

今回ご紹介した三重には、他にもまだまだたくさん魅力的な人やモノが待っています。ぜひ三重のことをもっと知って、訪れて、好きになってください。

今後もミツカルでは、関西からさまざまな地域をつなぐプロジェクトを展開していきます。興味のある方は、ぜひご参加ください!

 

文:北川由依