【7/7(金)】石川ナイト@京都開催しました!

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“若者たちが地元で働くこと、生きることを、もっと身近に。

地域で活躍するゲストを他府県から京都にお呼びし、これからの「仕事」や「暮らし」を参加者みんなで考えるローカルナイト。

みなさんは今、自分の地元のことをどのくらい知っていますか? 観光で訪れるならどこがオススメで、就職先にはどんな企業があって、その地域にはどんな人たちが暮らしていて・・

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ここ最近、これまで「地方」と言われてきた全国各地に若い世代が移住し、新たな取り組みや仕事づくりを始めることも珍しくはありません。そんな人たちが自分の地元にいることを、就職や進学で転居した若者たちはどのくらい知っているのでしょうか。

現在日本では、5割を超える学生が地元就職を希望しているそう。(※1) その一方で、距離や金銭面で就職活動がしづらいことや、地元企業との出会いや地元とのつながりが少ないこと、地域の最近の動きを知らないことなどが課題となり、なかなか地元就職につながりにくいという現状もあります。

(※1)マイナビが2017年5月に発表した「2018年卒マイナビ大学生Uターン・地元就職に関する調査」によると、地元就職希望率は51.8%。

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ローカルナイトは、そんな学生や若者たちが新たな選択肢へ踏み出せるきっかけを、学生の街・京都でつくっていけないかという取り組み。同郷の人たちが気軽に集える若手県人会のようなコミュニティにもなっています。(※ローカルナイトはMeets local(ミツカル)の取り組みのひとつです。)

参加者には、「自分ごと」としてこの場に参加してみる、楽しんでみる、何か持ち帰ってみるというスタンスを大切にしてほしいと思っています。

本日は、7月7日に京都リサーチパーク町家スタジオで開催したローカルナイト「石川県」編の様子をお届けしていきたいと思います。(イベントページはコチラ ※Facebookページに移動します。)

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本日のゲストと主催の石川県庁職員の皆さま。

当日の会場には、「石川の観光や働き方を知りたい!」という石川出身の若者や、「石川に行ったことがないのでイベントに来てみた」という大学生、「これから地域活性化に関するビジネスを立ち上げるにあたってヒントを得たい」という方など、20~40代の方々が30人以上集まり、熱気にあふれていました。

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現在、石川県の総人口は約115万人ほど。地形は南北にかけて細長く、大きく3つのパートに分かれています。

北側の能登半島は日本海に面しており、輪島市にはNHKの朝ドラ「まれ」で有名な塩田や美しい棚田の景色が広がっています。

中心部に位置する金沢市は「兼六園」や「21世紀美術館」などの有名な観光スポットがある県庁所在地。金箔や加賀友禅が栄えてきた城下町エリアです。

南側の加賀半島は温泉街として知られています。また、富士山、立山と並ぶ日本三名山のひとつ「白山(はくさん)」があり、毎年たくさんの登山客が訪れます。

そんな石川県の魅力についてまずは、(株)ぶなの森でプランナー兼デザイナーをされている太田殖之(おおた のぶゆき)さんにお話していただきました。

田舎を元気にしたい!という思いで決めた、七尾市への移住

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太田さんは北海道生まれ東京育ち。

これまで、デザイナー、ITベンチャーでのマーケティング、まちづくり、ソーシャルビジネス・NPO等の創業支援、そして地元の町会長までされていたという経歴の持ち主です。

前職である、ITベンチャーのオフィスがあったシェアオフィス内に「まちづくり」に関わる企業があり、地方における商店街や里山の活性化などの取り組みや政策があることを知った太田さん。その後、高校魅力化プロジェクトでも知られている島根県の海士町を訪れ、地方の現状を目の当たりにします。

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太田さんの家にはブランコやハンモック。

地域の魅力や課題を知れば知るほど “地域をもっと元気にするために自分にできることがあるのでは?” と感じるようになり、2013年、お子さんが小学生になるタイミングで奥さんのご実家がある七尾市に移住されました。

現在は、目の前に田んぼや海が見える古民家で家族4人暮らし。実際に暮らしてみると、季節の感じ方が東京にいた頃と異なることに気づきます。

例えば、春の訪れはこれまで「桜」が基準だったけれど、今は春野菜の「芽」が出ることや、筍を掘ること、食べられる野草に出会うことで春を感じるように。そんな四季の移ろいに触れるたびに「生きててよかったな〜」と感じるのだとか。

そんな田舎暮らしを満喫している太田さんは現在、ブナの原生林でのツアー企画や、能登移住のお手伝いをお仕事にされています。

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採れすぎたじゃがいもとお子さん。
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地域交流の様子。

また、県内大学のゼミ生の受け入れを通して、若い人たちが農村地域へ来ることに可能性を感じ、地元企業の社長さんたちと一緒に若者の仕事づくりにも取り組んでおられます。

さらに、移住者と「おやゆびカンパニー」という会社をつくり、ゲストハウスとカフェを開業したり、「御祓川大学(みそぎがわだいがく)」というまちづくり大学を開学したり、移住者が集まる「移住トーク」というイベントを開催されています。

こうした様々な取り組みを重ねてきたことで、現在は200人ほどの移住者コミュニティができており、中には結婚したカップルも。太田さんは先輩移住者として、移住した人たちが新たなものをつくっていける環境の整備や、移住者の不安を取り除くコミュニティ形成に一役買ってこられました。

こういった企画は運営側も移住者なので、まずはみんなで誘い合って集まれる場づくりを心がけているそう。そこでお互いの話や想いを聞き、移住してきた目的や今後やってみたい取り組みを共有することで、みんなにとって心地よい「暮らし」の環境が整えられていくのだと、最後にそう締めくくられました。

大好きなひとり旅で感じた直感を元に、金沢へ移住!

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続いてのスピーカーは現在22歳の若手移住者、阪邊千奈美(さかべ ちなみ)さん。一人旅が好きで、日本全国を巡り、その達成率は70%にぼるのだそう。

以前はメンズのセレクトショップ店員として大阪で働かれていたのですが、“程よい都会と程よい田舎、どちらにも近い場所で住みたい!” と思い、一人旅で訪れた石川県の美味しいごはんや優しい人々に魅了され、移住を決心。

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大阪出身の阪邊さんは建築の専門学校に通うほど「建物」好き。

金沢の特徴としてまず挙げられるのは「建物が美しい」こと。建物好きの阪邊さんにはぴったりの場所です。

また、歩いて3分のコンビニへ行くのに車を使ってしまうほど「車社会」であることや、スーパーの鮮魚コーナーに質の良い魚が充実していること、のどぐろのお寿司がとにかく美味しいことなど、金沢の “日常” についてご紹介いただきました。

そんな阪邊さんは現在、「カラフルカンパニー」という、石川・富山・福井・新潟の情報誌やWEBメディアをつくる会社で働いており、もうすぐ1年が経つのだそう。地域密着型の会社で、お客さんとの距離も近く、一緒にバーベキューなんかをすることも。

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阪邊さんは「家づくりナビ」を担当。石川県では「家を建てたら一人前」という文化があるのだとか。

金沢に移住して感じるのは、“人のつながりを大切にしている” ことや、石川県の会社には “石川をより良くするためにこういうことがしたい!” という人が多いことだと阪邊さん。

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移住して本当においしいものばかりで・・と写真を見ながら阪邊さん。

「石川県に友達がいないから、という理由で来ないのはすごくもったいないです! わたしは今後もしばらく石川にいる予定ですし、とてもいい場所なのでよかったら来てくださいね!」と笑顔で締めくくられました。

ゲストトーク後は、質疑応答へとうつります。

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-移住してからはどのように地元の方とコミュニケーションをとられましたか?

太田さん:お酒を飲みに出歩くことですかね。飲めなくてもお酒がある場にいることが大事です。例えば、スナックのママは情報通なので地域のことをいろいろ教えてくれるんですよ。

あとは、草刈りなど地域のイベントに顔を出すことですかね。わたしは盆踊りの際に紹介してもらえたことで、どんどん地元の方々に認識されていきました。

阪邊さん:もともと、一人旅をしていて困った時は「携帯に頼らないルール」をつくっていました。その頃から得たい情報はなるべく地域の方に聞くことにしています。なので移住してからもそんな風にコミュニケーションをとっています。

また、転職してからは職場にUターンの方がたくさんおられるので、いろんなことを教えてもらっています。

そして最後は、石川県庁の北本聡(きたもと さとし)さんから「石川県ふるさとワーキングホリデー」についてご紹介いただきました。

石川県で暮らす体験ができる「ふるさとワーキングホリデー」とは?

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石川色の爽やかなシャツを着ている北本さんは石川県出身。北海道の大学に進学後、地元に戻ろうとUターン。

ふるさとワーキングホリデー(通称:ふるさとワーホリ)は、

都市に暮らす若い人たちが、一定の期間地域に滞在し、働きながら地域の人たちとの交流の場や学びの場などを通して、通常の旅行では味わえない、地方をまるごと体感してもらい、地方とのかかわりを深めてもらおうというものです。(「ふるさとワーキングホリデー ポータルサイトより)

石川県の「ふるさとワーホリ」期間の滞在場所は、基本的に無料で滞在できる受入先の寮や社宅での住み込み、市町の移住体験施設、または上限3,000円まで補助がある受入先近くの民宿やゲストハウスなど。その他にも、県内を移動する際の交通費の助成レンタカーの貸与などのサポートがあります。

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石川県では現在、観光業や農業を中心に45の事業者が受け入れを行なっており、実際にポータルサイトを見ると55件のお仕事が掲載されていました。

現在、8~9月に体験できるプログラムの募集をされているので、ご興味のある方はぜひサイトをチェックしてみてください。

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また、石川県では「 #フォトジェニックイシカワ 」というInstagramの投稿を通して石川県の魅力も発信しており、検索してみると美しい石川の風景に出会うことができました! こちらもぜひご覧ください。

その後、休憩を挟んで後半のワークショップへ。

今回のワークショップのテーマは「石川めっちゃおもろいやん!! ワクワク石川ローカルツアーを考える」というもの。ゲストや職員さんを交え、会場が6つのチームに分かれてアイデアを考えました。

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①いきなり移住するのはハードルがあるので、少しずつ家を作りながら地域の人との関係性をつくっていく「家をつくろうツアー」

②謎解きゲームのように手がかりを元に写真スポットを探し、能登を旅しながら写真を撮ってインスタグラムにアップしてもらう「なんちゃってインスタグラファーの旅 in 能登」

③行く先を知らされないまま目的地に連れて行かれるツアーだけれど、インターネットは一切使わない!「石川のミステリー出会いツアー」

④石川は祭りが多いので、祭りをきっかけに地元の人ともっと知り合える「神輿を一緒に担ごうツアー」(すかさず「明日からできるよ!」と太田さん。笑)

⑤参加メンバーがそれぞれの地域で「食」に関する仕事を手伝い、仕事分の対価として食材をいただく「0円ツアー!」調味料はないので近所で借りたり、地域の方から郷土料理を教えてもらうこともできるというもの。

⑥ノーマネー、ノーインターネットでワゴンバスに乗りながらすべての市町村を巡り、お手伝いをする代わりに気持ちとしてモノをもらって生き延びる「やさしさサバイバル」

発表を聞いていると、実はみんな3時間前から集まって考えていたのでは?! と運営側が驚くような濃い内容のツアーばかり。

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どれもおもしろく、どれもやってみたい・・。そんななか、見事優勝に輝いたのは「0円ツアー」を考案したこちらのグループ。おめでとうございます!

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ワークショップ終了後は、石川の産品をつまみながら参加者やゲストみんなでプチ交流会。終始話題が途絶えず、大盛況のうちに幕を閉じました。

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感想共有では、

・出身地なのに知らないことが多かった

・本当は地元が嫌で石川を出たけれど、いいところだなって思えた

という出身者の声や、

・石川に縁もゆかりもなかったけれど、来てよかった! 次回も来ます!

・石川に行ってみたくなりました

という声。

そして「明日七尾市のお祭りにお神輿担ぎに行きます!」という方までも。次の日には「来てくれましたよ!」と太田さんから嬉しいメッセージが届きました。

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最後は「石川ポーズ」で記念撮影をして、本日の石川ナイトは終了。

“地元ってなんかいいかも” “自分の地元ではどうなっているんだろう”

地域に魅力を感じて移住した人たちのお話を聞くと、これまで思い描いていた「地元」の捉え方が変わったり、自分の地元が少し気になったりしませんか。

そんな時は、今回の石川ナイトをきっかけにお神輿を担ぎに行った彼のように、思い切って興味のある地域やゲストの元を訪れることからはじめてみるのもいいかもしれません。地域にもこれまで知らなかったような、多様な「仕事」や「暮らし」があるんです。

訪れた先で感じたことを大事にしながら、改めて地域のことや自分のキャリアを考え、描いてみる。私たちは「Meets Local(ミツカル)」の取り組みを通して、そんな「きっかけ」を京都でつくっていきたいです。

京都で地方を盛り上げていきたい学生の方・若者のコミュニティづくりや京都での企画に興味のある自治体の方など、ミツカルについて興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

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担当:株式会社ツナグム

ミツカル担当 藤本

MAIL:info@tunagum.com

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