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きょうの仕事場

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2021年02月05日

きょうの仕事「場」を巡る旅 - oinai karasuma -

あなたは今日、どんな場所で仕事をしていますか?

自宅のデスク、近所のカフェ…いつものお決まりの場所で仕事をしているのかもしれません。

でもたまには、気分を変えて、いつもと違う場所で仕事をしてみませんか?

いつもと違う場所で仕事をすることで気分が変わり、新しいアイデアが生まれたり、そこで出会った人たちと話すことで、ワクワクするようなつながりをもつことができるかもしれません。

さぁ、あなたの「 #きょうの仕事場 」を見つける旅に、出かけましょう!

2つ目に紹介するのは、前回ご紹介した「KOIN」から歩いて6分ほど、同じ四条烏丸エリアにあるコワーキングスペース「oinai karasumaです。四条烏丸の交差点から烏丸通を北に進むと、oinai karasumaが入るトキワビルディングにたどり着きます。

エレベーターでビルの4階へ上がると、運営母体である建築事務所「ARCHINET KYOTO」のおしゃれなオフィスが見えます。その右奥にあるのが、oinai karasumaです。

初めての方は、まず受付へ。ドロップイン(たちより会員)として、1時間・300円で利用することができます。右側には間仕切りのあるスペースがあるので、ぐっと集中して仕事がしたい人は、利用してみてくださいね。

今回、お話をお伺いしたのはoinai karasuma のディレクター、白川サトシさんです。

白川さんはフリーランスのデザイナーであり、oinai karasumaではロゴやチラシのデザインなどのクリエイティブを担当されています。オープン当初からこの場に関わりつづけている白川さんに、これまでの歩みや取り組みをお聞きしました。

どんな場所なんだろう?

もとは呉服屋だったこちらのビル。ARCHINET KYOTOがリノベーションを手がけ、当初は3階の全面を事務所として利用する予定でした。しかし代表の黒木幹雄さんのアイデアで、コワーキングスペースを併設することに。スタッフは設計業務でなかなか手が回らないため、「手をかしてほしい」とデザイナーである白川さんに声がかかります。大学では建築を専攻していた白川さん。ARCHINET KYOTOに勤めていた大学時代の先輩が、縁をつなげてくれたそう。

「話を聞いたときは、『コワーキングって何?』という状態でしたね。クリエイティブを提案する上で、まずはコワーキング自体がどういう場なのか理解する必要がある。そこで他のコワーキングを訪ねたり、調べたりしながらなんとか形にしていきました」

次第に、白川さんの仕事はクリエイティブにとどまらず、場をどう活用するか、利用者とどのようにコミュニケーションをとるかなど、場をデザインすることが仕事になっていきました。コワーキングを作る上で、白川さんたちが大切にしたのは、隙のある空間づくりです。

「そもそもお金がかけられなくて、スタート時はもらいものばかり。でも隙のある空間を作ったことで、会員さんからたくさん意見がもらえました。『もっと座り心地の良い椅子がほしい』『会議できる場所があったらいいな』『集中できる場所を設けて』。意見を聞きながら、oinai karasuma を会員さんと一緒に作り上げていったんです」

どんな人が利用しているの?

その結果、一緒に場を作るということに関心が高い、クリエイターが集うようになります。フリーの建築家、テキスタイル作家、デザイナー、ライターなど。特に女性の利用者が多いそう。集ってくれた人たちが、もっと自然な形でつながっていけるきっかけをつくろうと、イベントも定期的に開催しています。

「僕らは『会員さん同士のイベント』『会員さんと外部からのイベント』『外部が多いイベント』の3つの軸をもとにイベントを開催しています。外部の人向けのイベントばかりだと会員さんの居心地が悪くなるし、その逆だと排他的な空間になる。そのバランスを重視しています」

人気飲食店を招いた食のイベントや、クリスマス、周年記念。白川さんが主催する「イラストレーターサロン」や「フリーランスの世界」などのユニークなイベントが目白押しです。気になるイベントがあればぜひ、足を運んでみてください。

oinai karasumaの魅力

2012年にスタートして8年。多様な人が集い、この場をより良くしようと多くの人たちの知恵と工夫で進化してきたoinai karasuma。その姿勢は今なお、変わっていません。場を見渡すとこの場ををもっと楽しむための仕掛けが、随所に散りばめられています。

例えば本棚。キッチン近くに設置された本棚とは別に、入口付近の小さな棚にはスタッフのおすすめの本が並べられています。また入口付近には、会員さんの紹介カードが貼り付けられたボードも設置。仕事や趣味について書かれたカードが貼られていて、どんな会員さんがいるのかを知ることができます。

こういった仕掛けが何気ない会話を生み、利用者同士がつながるきっかけとなっています。また、母体が設計事務所であるため、建築材のサンプルの素材を共有できるなど、建築関係の人には働く上で多くのヒントを得られる場所でもあります。

「僕たちは『ここが合う』と思う人に利用してほしいと思っています。ですから、初めての人は会員登録せずに、お試しで利用することもできる。いろんな場所を体験して、やはりここだと思ったら会員になってもらえればうれしいですね」

この場所を楽しむ仕掛けはたくさんある。でもそれ手に取るかどうかはあなた次第。oinai karasumaは、あなたの選択肢を増やし、自分で新たな未来を切り開く一歩を手助けしてくれる場所になるかもしれません。

周辺のおすすめ情報

最後に白川さんに、oinai karasumaの周辺のおすすめをお聞きしました。そうすると意外なことにも、「スーパーフレスコがおすすめです」という答えが返ってきました。

「実はうちの会員さんたちは、お店でご飯をたべるより、フレスコでお弁当を買ったり、食材を買ってキッチンで作って食べる方が多いんです。ですからお店よりも、ここで食べながらぜひうちの会員さんたちと交流して、会話を楽しんでほしいですね」

遠方から来た方は、近くに錦市場があるので、そちらでお惣菜やお弁当を買うのもいいかもしれません。でも「せっかく京都に来たからには、おいしいものが食べたい!」という方にはoinai karasumaから歩いて6分ほどのところにある雪梅花 菜根譚 (シェイメイホァ サイコンタン )」がおすすめだそう。

築100年の町家を改装した中華料理屋で、完全個室でゆっくりと料理を味わうことができます。白川さんもクライアントとの会食や、打ち合わせなど大切なシーンでこちらを利用しているそう。たまには仕事の合間に、京町家でゆったりとランチでも。午後からの仕事も頑張れますね。

(文・三上由香利 編集・北川由依)

場 Space

oinai karasuma / おいない烏丸
場所

〒604-8152 京都府京都市中京区烏丸通蛸薬師南入る手洗水町647番地 トキワビル4F